合格に直結!「思考力」が身につく家の4つの会話 習慣にするといい「親から問いかけ」のすごいコツ

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【問いかけ③】「どうしたらいいと思う?」

5年生では「解決方法の発想、調べる際の条件制御」です。解決方法の発想を身につけるためには、その前に問題や課題が必要です。

日常生活では日々、些細な問題がたくさん起こります。その度に、親が「〇〇しなさい」と解決策を先に提示するのではなく、「どうしたらいいと思う?」と自分で考える問いかけをしてみることをお勧めします。

子どもとの対話を楽しみながら

例えば、「お母さん、これどうやって開けたらいいの?」と聞かれたら、「どうやったらいいと思う?」と問い返し、まずは子どもが考え、それでもわからなければヒントを言ってあげます。ヒントを言われれば、それを使って自分で“考え”ます。それでもわからなければ、教えてあげます。

勉強でも同じです。質問されて、即解説をすることもありますが、一旦、ヒントを言ってあげることで、考える場を作ることができますし、自力で解けたという感覚も身につきます。

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さらに高度な問いかけとして、条件をつけて、その条件の下でどうすればいいか考える問い方があります。例えば「10分でこれができるにはどうすればいいだろう?」という問いはまさにその典型です。

【問いかけ④】「〇〇の立場だったら、どう見える(思う)?」

6年生では「結果を多面的にとらえ、妥当な考え方を生み出す」です。つまり多面的思考がポイントとなります。

そのためには、様々な角度の見方や解釈があることを知る場を作ります。例えば、上から見る場合と横から見る場合では違って見えるという初歩的なことから、兄弟姉妹間での意見の違いを知ることなどがあります。さらに、ゲームやスマホの使用ルールを作るときも、子どもの意見と親の意見を出し合って話し合いをすることも、こうした思考につながります。

思考力を養うためには、日常生活にその素材はたくさんあります。その素材を使って、上記のような問いかけをしてみてください。

それがじわじわと蓄積することによって、子どもの頭脳に思考のフレームワークが形作られてきます。その結果、教科学習においても同じフレームワークで“考える”ことができるようになっていきます。

ぜひ、楽しみながら子どもと対話をしてみてください。

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石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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