「R33スカイライン」良い車なのに不評だった悲哀 今思えば洗練されたデザインとメカニズムだった

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R33スカイラインの2ドアクーペ「GTSタイプS」
R33スカイラインの2ドアクーペ「GTSタイプS」(写真:日産自動車)
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20~30年以上経った今でも語り継がれるクルマが、続々と自動車メーカーから投入された1990年代。その頃の熱気をつくったクルマたちがそれぞれ生まれた歴史や今に何を残したかの意味を「東洋経済オンライン自動車最前線」の書き手たちが連ねていく。

R32に比べ「大きい」「おとなしい」などと批判された

「R33」って呼ばれる9代目スカイラインが登場したのは、1993年。いまの目では端正なスタイリングのモデルだ。技術的にも凝っていた。作り手の思い入れを感じさせるモデルだ。

搭載された新技術は多い。ひとつは、電動式になった後輪操舵の「スーパーHICAS(ハイキャス)」。橫G応答制御が加わった。

もうひとつは、アテーサE-TS(電子制御トルクスプリット式4輪駆動システム)採用のフルタイム4WDモデルの設定(1993年11月に地追加設定)。

当時は、しかし、批判にさらされたクルマだった。「大きい」とか、「太った」とか、「おとなしく見えすぎる」とか。

シャープなデザインで存在感を放った先代(8代目)のR32スカイライン(GT-Rは除くベース車は全長4580 ×全幅1695×全高1340 mm)と比べて数値でみると、全長が140mm長くなって4720mmに、全幅は25mm拡大して(3ナンバーサイズ)の1720mmに。ホイールベースは105mmも伸びて2720mmになった。

R32スカイラインの4ドアモデル
R32スカイラインの4ドアセダンモデル(写真:日産自動車)

先代のR32スカイラインは「室内が狭い」と言われ、かつ衝突安全性のためにはクラッシャブルゾーンの大きなボディが必要だったが、スカイラインにスポーティさを期待しているひとたちには、どうにも不評だった。

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