やりすぎ感満載の2ローターターボエンジンを搭載
1989年から1991年は、クルマ好きにとって忘れられない、いってみれば黄金の3年間だった。
たとえば、1991年に、マツダが「アンフィニ」ブランドで発表した3代目「RX-7」。
写真だけだと、あんまりスピード感が感じられないスタイルに見えるかもしれない。でも中身は、先代RX-7がGTっぽかったのに対して、ピュアスポーツカーとして開発されたのだ。
「世界に誇る第一級のスポーツカーの実現を目指して」と、発表当時にマツダが用意したプレスリリースには書いてある。
「ロータリーエンジンの特徴を最大限に活かしながら開発した」と同じプレスリリース内で謳われるように、「13B-REW」型のエンジンは2ローターにターボ。
ターボチャージングが凝っていて、2基搭載し、エンジン回転数と負荷(アクセルペダルの踏み込み量など)に応じて、低速域では1基、高速域では2基が作動するシークエンシャルタイプなのだ。
このロータリーエンジンには、「ハイスピード“スピードデンシティ”システム」と呼ばれる高効率の燃料噴射システムも組み合わされていた。
最高出力は255馬力(ネット)、最大トルクは30kgm。当時としてはかなりのハイパワーを実現している。最高出力は6500rpm で発生するが、8000rpmまで回る。やりすぎ感満載だ(嬉)。
ファンが「FD」とコードネームで呼ぶこの3代目RX-7の発表は10月。じつは、同じ1991年の6月22日から23日にかけての「ル・マン24時間レース」でマツダスピードの「787B」が総合優勝している。
なので、マツダがこのFDのことを「本格スポーツカー」(プレスリリース)と呼べば、私たちは“ははあーそうですかーそうでしょう”と納得したのである。
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