「R33スカイライン」良い車なのに不評だった悲哀 今思えば洗練されたデザインとメカニズムだった

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スカイラインといえば、日産のエンジニア、桜井眞一郎氏が手がけた2代目プリンス・スカイラインGTが“伝説”を作っていた。

1964年の第2回日本グランプリにおいて、ポルシェ904を1周(だけ)抜いてトップで走ったことで、おおいに話題になったのだった。

そのあと、1968年にフルモデルチェンジした3代目にGT-Rなるモデルが(1969年に)追加設定された。これはいま乗っても、けっこう楽しい硬派なスポーツセダンだ。

スカイラインの“神話”が復活したのが、1989年。高性能を誇るGT-Rも発表されて、おおいに人気を博したのだった。ファンは、ドイツにポルシェがあれば日本にはGT-Rあり、なんて言ったものだ。

先代R32スカイラインの評価

同時に、R32は4ドアセダンも2ドアクーペも評価が高かった。全長4580mmと比較的コンパクトなボディと、高性能ドライブトレインの組み合わせが特徴といえる。

R32スカイラインの2ドアクーペモデル
R32スカイラインの2ドアクーペモデル(写真:日産自動車)

2.0リッター直列6気筒DOHCにセラミック製ボールベアリングを組み込んだターボチャージャーを組み合わせた「RB20DET」エンジンや、4輪操舵システムなど、走りの技術を詰め込んでいた。

私の目には、ただし、R32のふつうのモデルって、たしかに適度なアグレッシブさはあるけれど、スタイリングはやや未消化で、トータルなデザインっていう点では煮詰めが必要では、なんて思えていた。

とくに、2ドアスポーツクーペそれに4ドアスポーツセダンのリアフェンダー。ちょっとむりやりブリスターフェンダーを組み合わせた感がある。

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