今でもロケにおいてはこの割合が大前提なんですけど、今回本を書かせてもらって、より一層“ロケ芸人”として番組などに呼んでもらう度合いも高まりました。
無論、そうやって認知していただくことはありがたいことなんです。ただ、そういう目で見てもらう場。例えば、ロケ芸人が集まってロケのテクニック的なことをエンターテインメントとして披露する。そんな企画だと7:3の3では弱い。そこではこの3をもっと出力高くやらないといけない。認知していただくことはうれしいんですけど、認知されると“求められるもの”が定まってくる。そこの難しさも感じてます。
例えば、石塚英彦さんなら「まいう~」。彦摩呂さんなら「宝石箱」。それぞれの代名詞というか、必殺技みたいなものをお持ちなわけです。しっかりと自分の城を築いてらっしゃる人であればあるほど求められるものがある。
でも、僕なんかよりもっとお二人は「商品が主役」だとわかってらっしゃる。でも、自分の存在感も求められる。このバランスというか、ジレンマみたいなところとずっと戦ってこられたんだろうなと僕は今やっと感じているところです。
ただ、僕はグイっと前に出ることがもともと得意でもないですし、やっぱり商品をいかに魅力的に見せるか。それをやりきるのが僕のテクニックになるんだろうなとは思っています。
ロケ番組にタレントがいらなくなってきた
この3年ほどはコロナ禍で、ロケもなかなかできない世の中になりました。ただ、ありがたいことに、昨年は240日ほどロケで稼働しましたし、コロナ禍の中でもほぼ変わらずロケに行かせてもらっています。
コロナ禍でロケのやり方も様変わりしました。すごく端的にいうと、芸人やタレントがリポーターとして存在しなくても違和感がない番組作りが定着してきました。商品を作ってらっしゃる方がいる。そこに今までならタレントが話を聞いていたけれど、そこをなしにしてディレクターさんが直接尋ねる。それを見ても違和感がない世の中になってますし、密を避ける意味でも、ロケの費用的にも、それで行けるなら御の字。要は、スタッフさんと取材対象となる皆さんの間にタレントが入る必要性がどんどんなくなってきてるんです。
でも、その中でも「やっぱり、いてもらったら助かる」。いかにそう思っていただくか。これが仕事をいただけるかどうかのキモだと思っています。
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