「男がおごるべき論争」日独でこれだけ違う価値観 ドイツの女性は「おごられるのは気が重い」

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男がおごる
デートの食事では男性がおごるべきか(写真:RichR/PIXTA)

ここ最近、SNS上で「男がおごるべき」論争が活発化しています。幾度となく蒸し返されるこのテーマ、時代や場所が変われば、考え方も変わるもの。では現在のドイツではどのように考えられているのでしょうか。もちろんドイツ人といっても人それぞれ、一くくりにはできませんが、日独ハーフとして両国を見てきた観点から一般論と個人的な見解を述べたいと思います。

先日セクシー女優の深田えいみさんが「デート代、なんで男が払わなくちゃいけないのって言葉 女性はそのデートの為に準備して洋服、メイク、美容代も入ってると思う 全部安くない。リップだってブランドなら4000円はする 可愛いって言って欲しくて、その為に凄く早起きして準備してる それを考えた上で、女性に出してあげて欲しいって思う!」とツイッターに投稿し賛否両論を呼びました(現在ツイートは削除)。

その後、元AKBのメンバーでタレントの大島麻衣さんがYouTubeの配信中に「割り勘でご飯行く意味分かんない」と語り、理由として女性はデートのために美容室に行ったり、服を新調したり、ネイルサロンに行ったりなどとお金がかかり、男性よりも2時間も早起きして化粧をするなどデートの準備にも何かと手間暇がかかることを挙げました。

ドイツでもかつては、男性がおごっていた

筆者が出身のドイツでもかつて外食の際は男性が女性におごることがスタンダードでした。1970年代ぐらいまではドイツでも専業主婦は珍しくなく、「お金を稼ぐのは男性、家事や育児は女性」と性別による役割分担がまだ色濃く残っていました。当時は女性がコートを着る際に男性が手伝うのが紳士的だとされていましたし、女性が座る際に椅子を引いてくれる男性もいました。しかし、男女が対等だという共通認識がある現在のドイツでは、そういったシーンをあまり見かけなくなりました。

「家事は男性と女性で平等に分担すべきだけれど、支払いは男性がすべき」というのはあまり論理的ではなく辻褄が合いません。男女の平等を追求する現在のドイツでは「男性がおごるべき」といった主張を聞くことはあまりありません。

ドイツのデートは基本的には「自分が頼んだものは自分で払う」というスタイルです。2人で飲み食いした金額を2で割る日本の「割り勘」ともまた少し違い、「自分が頼んで自分が飲食したもののみを自分で払う」形です。

たとえば女性がビールひとつと軽食を頼んだ場合、女性はその分しか払いません。相手の男性がもしもビールを数杯飲んだらその分は男性が自分で払います。ドイツには運ばれてきた料理をシェアする習慣はありませんから、自分で頼んだものは自分で食べ、その分だけを払うのです。

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