ルールに縛られすぎる人に知ってほしい考え方 民主主義は何の為にあり、どう成長させていくか

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「赤信号は止まれ」のほかにも、日常生活の中で「これって、どう決めるべきなんだろう?」と感じるルールはいくつもあります。

そこで、2つめの質問です。

「法律がいまの時代や状況に合っていないと感じたとき、変えていくためには、誰が声を上げればいいと思いますか?」

社会の授業で習ったと思いますが、日本は「三権分立」です。

三権分立とは、国の権力を立法権、行政権、司法権の3つに分けるしくみのこと。

なぜ3つに分けるかというと、国の権力が一つの機関に集中すると暴走するおそれがあるからです。3つの権力が互いに監視し合い、バランスを取ることで権力のかたよりを防ぎ、国民の権利と自由を保障しようとする考え方です。

・国会には、法律を作ったり、変えたり、廃止したりする「立法権」がある

・内閣には、国会が決めた法律や予算にもとづいて実際の行政を行う「行政権」がある

・裁判所には、人々の争いごとや犯罪を憲法や法律にもとづいて裁く「司法権」がある

国会にいる国会議員は、選挙によって選ばれた国民の代表です。その国会議員が法律をつくっていくわけですから、国民が「この法律はおかしい」と声を上げれば、法律を変えていくことができます。

つまり、「これはいまの社会に合っていないかも?」と思うルールがあったら、「当事者」として声を上げることがルールを変えるための第一歩なのです。

ルールを守るために人間が存在しているわけじゃない

でも、日本では「法律は自分たちで作るもの」そして「法律は変えられるもの」という当事者意識を忘れてしまっている大人が増えています。もしかすると、始めからその意識自体を持っていない人が大半かもしれません。

たとえば、当時伝染力の強い感染症と誤解されていたハンセン病の患者を強制的に隔離することを1931年に定めた「癩(らい)予防法」が廃止されたのは1996年ですし、アイヌの人たちを(差別的に)保護する名目で、1899年に成立した「北海道旧土人保護法」が廃止されたのは、なんと100年近くあとの1997年です。

フランス人は自分たちで革命を起こし、王様から民主主義を勝ち取った歴史があります。だから、フランス人の多くはこう考えるのかもしれません。

「ルールや規則は、秩序を保つために必要。でも、人間の生活をスムーズにするためにルールがあるわけで、ルールを守るために人間が存在しているわけじゃない」

次ページ「このルールは変だから破ってしまえ」では民主主義は成り立たない
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事