「役所勤めなら安泰か」公務員の出世と身の処し方 エリートコース官房系と事業系は何が違うのか

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最後に、一般職員です。一般職員のメリットは、「与えられた業務だけやっていれば、あとは基本的に自由で、責任も少ない」ということでしょう。このタイプを選択する職員は、「自分は人の管理はできないので、長の付くポストには就きたくない」、「仕事は最低限に留めて、私生活を充実させたい」と考えていることが多いように思います。このため、給料・
やりがい・世間体などのメリットがなくても、構わないと考えています。また、忙しさやストレスも、管理職や係長と比べても、やはり大きく違います。

民間企業の場合、本人の意思や希望に関係なく、管理職になってしまうこともあるかと思います。仮に、本人がそれを拒絶すれば、「嫌なら、退社しろ」と言われてしまうかもしれません。しかし、公務員の場合は、そうしたことは、まずありません。

係長や管理職に昇任するために昇任試験がある自治体もありますし、仮に試験がない自治体でも必ず昇任について打診があることがほとんどだからです。そうした意味では、公務員の場合は、出世について運の要素よりも、自分で主体的に選択できるといった側面が強いと言ってよいかもしれません。

公務員の出世について触れましたが、仮にある若い職員が、早い時期から管理職を目指したとします。この場合、どのようにしたら最短距離で管理職になることができるのでしょうか。

公務員の出世コースとは

かつて、出世するためには、官房系と呼ばれる職場に行くことが必要とされていました。官房系とは、総務、人事、企画、財政など、一般的に役所の全般的な取りまとめを行っている職場で、内部管理部門とも言われます。これに対する用語が、事業系の職場です。市民課、福祉課など、実際に住民サービスを行っている職場です。

これまで多くの職員を見てきましたが、いわゆるエリートと呼ばれる職員は、2、3カ所目の職場で官房系に異動になることが多いように思います。ちなみに1カ所目である最初の配属先は、まだ本人のことを当局もわかっていないので、かなり偶然(もしくはいい加減?)に決まることが多いようです(このため、1カ所目の配属先が不本意であっても、嘆く必要は全くありません)。

たとえ1カ所目が、事業系でルーティンな業務の担当だったとしても、そこで手を抜かずに確実に成果を出していけば、上司も見逃すことはありません。「彼(女)は優秀だから、次は官房系の職場で活躍させたい」などと人事課に話すでしょう。そうすると、2カ所目でそうした職場に異動になるわけです(このため、1カ所目の配属先が不本意であっても、いい加減に仕事をやってはいけません)。

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