「役所勤めなら安泰か」公務員の出世と身の処し方 エリートコース官房系と事業系は何が違うのか

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まず、管理職コースです。管理職のメリットは、まず給料が3種類の中で最も高いことでしょう。これは、毎月の給料だけでなく、退職手当や年金の受給額にも反映されますので、無視できない大きな要素です。実際に、「お金のため」と割り切って管理職を目指す人もいるくらいです。

また、仕事のやりがいも大きくなります。管理職は、自分の考えを事業や政策に反映させることができます。基本的には、決められたことを実施する係長以下とでは、仕事で得られるやりがいは、やはり違ってくるのです。

ちなみに、公務員と民間企業の組織を比較すると、同じ課長職であっても、公務員の課長は民間企業の課長よりも権限が大きいことが一般的です。例えば、清掃事務所長は、市内における清掃業務の責任者です。清掃業務については、市内全域に影響を及ぼすことができるのですから、民間企業とは異なります。部長や係長のポストであっても、同じようなことが言えます。

一方で、デメリットは、多忙になることです。議員や関係団体への対応、首長など上司への報告、部下の人事管理、職員団体との交渉など、管理職は多くの業務をこなさなくてはなりません。このため、ストレスも多くなってしまいます。

多忙であっても、確実に業務をできていれば良いのですが、問題が多発してしまい、管理職自身がストレスに押しつぶされてしまうこともあります。最悪の場合は、心身に不調をきたし、降任(係長以下へ降りること)することもあるのです。

係長は課長以上に忙しい?

次に、係長です。係長も給料・世間体という面では、管理職ほどではないですが、一定のレベルを維持できます。しかし、仕事面では係長の裁量は限られていますので、自分の思い通りに仕事を進められるという感触は持ちにくいでしょう。

反対に、上司である課長からは、いろいろと宿題を出されるものの、それを部下にやらせるのに苦労している気がします。最近では、係長も業務や部下だけの管理をしていれば良いわけでなく、係長自身も独自の担当業務を抱えるプレイングマネージャーとなっています。

このため、管理職以上に忙しい係長も出てきてしまい、給料に見合わないということが起きてきます。こうしたことから、「管理職になった方が、かえって楽なのでは」と考える人が出てくるのも、不思議ではありません。ただ、どうしても議員や首長の相手をしたくないので、「自分は係長の方が向いている」という人もいて、このあたりは、本人の性格や人生観が、大きく影響していると言ってもよいかもしれません。

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