「想像していた老後と違う」嘆く人に欠けてる視点 お金を使わず楽しく生きるのに最適な方法とは

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さて、結果は次のようになりました。

①「持続的な孤独を感じている人」は「孤独を感じていない人」に比べて認知症の発症リスクが91%も高い
②「一時的な孤独を感じていた人」は「孤独を感じていなかった人」に比べて認知症の発症リスクが66%低い
③「ひとり暮らしであること」と認知症発症のあいだに直接的な関連は認められない
 (※アルツハイマー病の場合も同様の結果になった)

①の結果から、長いあいだ孤独感を抱えていると認知症リスクが高まることがわかります。これは、すでによく知られていることだと思います。

②の結果はどういうことでしょうか。以前は孤独を感じていたが、いまは感じていない人というのは、周囲と交流を持つなどして孤独感を解消するために何らかの行動に出た人なのではないかと推測されます。そんな積極性を持っている人は、そもそも脳の働きが活発なので、認知症の発症リスクが低く抑えられていると解釈できます。

③の結果は端的に、ひとり暮らしをしているだけでは認知症の発症リスクは高くならないということ。「ひとり暮らしをしているとボケるのが早い」も、高齢者の脳に関するよくある誤解のひとつです。

このように、孤独感を長いあいだ放置していると認知症の発症リスクが高くなること、孤独感を解消した人は認知症の発症リスクが低いことから、孤独感と脳の働きにはなんらかの関係があることがわかります。

勉強をしながら「孤独」と上手に付き合う

では、認知症を予防するために、孤独を避けて、他者と付き合うべきなのでしょうか。

いいえ違います。認知症を予防したいのなら、脳を活性化すればよいのです。脳を刺激する方法は人付き合いのほかにもたくさんあります。先ほどから申し上げているとおり、私のおすすめは「勉強」です。

そもそも、ひと口に「孤独」といっても、いろいろなケースがあります。他者との交流がなく、「孤独である」からといって、必ずしも皆が「孤独感」を覚えるわけではありません。ひとり暮らしをしているからといって、それがすなわち孤独でさびしい人生を送っていることにはなりません。「孤独であること」と「孤独を感じること」とは別のことなのです。

もし社会的に孤立して生活に支障が出ているようなら周囲の助けを求める必要がありますが、そうでなければ孤独は恐るるに足りません。

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