「役所勤務はブラックか?」公務員の役得と犠牲 人気職業ながら批判も受ける公務員の実態
また、福利厚生も恵まれています。以前のような公務員優遇のようなことはなく、民間企業とあまり変わらないと思いますが、具体的には、人間ドック利用への補助金、公務員住宅、病気・結婚などの際の見舞金やお祝い金、教育費などの貸付制度、職員食堂、職員サークルへの補助、職員相談室(カウンセリング)など、いろいろなものがあります。公務員生活が長くなると、こうした各種制度にお世話になることも少なくありません。
そして肝心の給与については、社会一般の情勢に適応するようになっており、実態として民間企業の状況などをもとに決定されます。このため、公務員給与がずば抜けて高かったり、低かったりすることはありません。もちろん、キャリア官僚となって事務次官まで上り詰めたりすれば別ですが、ここではあくまで一般的な公務員の給与の話です。
しかし、それでも地方によっては公務員の給与は高いと思われていることが少なくありません。その地方に住む人からすれば、やはり公務員は恵まれていると見られるのです。
副業は原則禁止
一方で、公務員になったことで、できなくなることもあります。例えば、副業やアルバイトです。現在では、多くの民間企業でも副業が認められるようになってきましたが、公務員の場合は、基本的にできません。法律で営利企業等への従事が制限されているからです。制限されている理由は、やはり本業である公務員としての業務に支障が出てしまうからです。
皆さんも容易に想像できると思うのですが、ある職員がアフターファイブに市内のある企業でアルバイトをしていたら、その企業に対して何かしらの便宜を図ることが予想されます。これでは、公正中立な行政サービスに影響が出てしまうでしょう。
時折、公務員が副業をして処分されたという報道がされます。例えば、次のようなものがあります。①女性職員がホストクラブにはまってしまい、その費用を捻出するために、風俗店で働いていた(停職処分)、②市職員が、週末や休日にスキー場で6年にわたりインストラクターとして報酬を得ていた(減給処分)、③育児休暇取得中の男性職員が、移住を計画している地方の企業で就労した(減給処分)、などです。
これらは確かに意図的に行っていたことですので、処分されても申し開きができません。しかし、実は無意識でこの規定に引っかかってしまうこともあるのです。
例えば、学生時代からバンド活動を行っていた職員が、週末に有料でライブを開催するような場合です。有料とは言っても、アマチュアバンドですから、それほど高額ではなく、単に会場の使用料程度をお客さんに負担してもらう程度の額です。学生時代から同じようなスタイルで実施していたとしても、公務員としてこれを行ってしまうと、チケット代収入が報酬と見られてしまうからです。
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