茨城で月3万個クリームパンを売る個人店の正体 「パン工房ぐるぐる」が徹底する味へのこだわり

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「パン工房ぐるぐる那珂本店」。来店客の多くはクルマで訪れる(写真:ぐるぐる)
水戸の「ラ メゾン デュ パン クリハラ」はスタイリッシュな外観だ(写真:ぐるぐる)

同社の2022年度の業績は、コロナ前(2019年度)と比べて約120%に伸びた。個人経営の店が十数年続き、従業員も増えて人気店となった理由を聞いてみた。

「当店の特徴は3つあります。

(1)パンのおいしさをひたすら追い求める

(2)お客さまに喜んでいただくことを考え続ける

(3)食材を含めて地域や地元を大切にする

の3点です。(1)と(2)は多くのパン屋が行いますが、(3)に徹底してこだわるのが持ち味です」

茨城の食材を用いた「クリームパン」

(3)を具体化した看板商品が、2011年のオープン時から販売する「奥久慈卵のとろ~りクリームパン」(220円+税)だ。もともと来店客の間では人気だったが、2016年にテレビの情報番組『スマステ(SmaSTATION!!)』(テレビ朝日系)や『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)で相次いで紹介されるとブレイクした。

「当時は最高で1日3400個売れました。『スマステ』の反響が高く、『ヒルナンデス』で紹介されるとの話を聞いて、放送当日から翌日にかけて、スタッフが総力を挙げて対応したこともあります。現在も小売りと卸を合わせて月に約3万個を販売します」(同)

この商品を開発したのは、好奇心と探求心からだった。

「個人的にパンやプリンのなめらかさ、とろり感が好きだったのですが、なかには、あまりとろりとしていない商品もあります。〈それなら自分でつくろう、どうせつくるなら徹底して地元食材にこだわろう〉という思いで開発しました」

ぐるぐるの栗原淳平社長、現在もパン職人として商品開発を行う(写真:ぐるぐる、撮影のためマスクを外しています)
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