ロッテリアは売却「バーガー業界」閉店相次ぐ理由 勝ち組マクドナルドとのロッテリアの決定差

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また、2020年11月には、焼き肉のファーストフード店、焼肉ライクなどを展開するダイニングイノベーションがブルースターバーガーをオープンさせ、大きな話題となった。テイクアウトに特化したプチグルメバーガー専門店で、オープン当時は全国2000店舗を目標に掲げていたが、斬新な取り組みは市場に受け入れられず、2022年7月には市場から撤退している。

かっぱ寿司や牛角などを展開するコロワイドもハンバーガー業態に手を焼く。同社は2016年にフレッシュネスバーガーを買収し、当初はフランチャイズ展開を加速して、2020年度には400店体制を構築する計画だったが、うまく進んでいない。公式のデータがないが、現在の店舗数は170店舗ほどだといわれている。

コロナ禍ではチキンバーガー専門店が増えたが、これも大きく成長したブランドは今のところ現れていない。

かくいうゼンショーも過去にハンバーガー市場に参入して撤退した過去を持つ。2002年に当時、ウェンディーズを展開していたダイエーから事業を買収したものの、店舗を拡大させることができずに2009年に撤退をしている。

同じタイミングでダイエーから買収したビッグボーイは今もなお堅調に成長続しているので、外食のさまざまなノウハウを持つゼンショーですら、ハンバーガー業態の展開は難しいのである。

ロッテリアの一人負けの要因

こうした環境の中、ゼンショーの下で、ロッテリアが再起する可能性はあるだろうか。競合大手のマクドナルドとモスバーガーも店舗数自体は減らしているものの、成長自体は止まっていない。一人負けとなっているロッテリアとの違いを探っていくと、「メニュー開発力」と「人への投資」、「フランチャイジーとの関係性」にたどり着く。1つずつ説明していこう。

メニュー開発力

マクドナルドは「月見バーガー」や「グラコロ」など期間限定メニューに強い。また、顧客とつながることを目的とした商品開発にも力を入れており、特徴的なのが、2016年に行った「名前募集キャンペーン」だ。

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