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異色DX地銀「基幹システムこそ自前化」を貫く真意 北國HD杖村氏「抵抗勢力は排除せずに対話を」

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アナログの印象が強い地方銀行にあって、2021年には国内で初めて勘定系をクラウドに移行。攻めのDXをどう推進してきたのか。

インタビューを受ける北國フィナンシャルホールディングス 社長 杖村修司氏
攻めのDXをどう推進してきた杖村氏。「DXは人事や組織風土の改革があって初めて実効性を伴う」と強調する(記者撮影)

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「人海戦術の統廃合」を優先した理由

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アナログの印象が強い地方銀行にあって異彩を放つのが、石川県に本店を置く北國銀行を中核とする北國フィナンシャルホールディングスだ。ペーパーレス・印鑑レス化をいち早く実現したほか、2021年には国内で初めて、銀行の基幹システムである勘定系をクラウドに移行した。

攻めのDXをどう推進してきたのか、杖村修司社長に聞いた。

──DX推進の端緒は。

このままでは銀行経営が厳しい、という問題意識だ。2000年ごろに、ビジネスモデルを抜本的に変えるためのプロジェクトが立ち上がり、私がリーダーを拝命した。

本当は全社的なシステムとオペレーションの改革に着手したかったが、当時は投資余力がない。まずは店舗統廃合などでコストを削減して、投資に回せる資金を捻出することから始めた。 

──銀行の店舗には業務を支える端末や従来のシステムがあります。どう統廃合を進めましたか。

店舗の統廃合を優先した。統合先の店舗に帳票などを持参し、手作業で取引の勘定を集計した。

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