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熊本の山奥で普及した「ノーコードアプリ」の絶妙 非IT人材でも「現場主導」で楽々開発できる

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大手企業から中小、地方自治体まで。「小さく始めるDX」にノーコードが貢献している。

モニターを見て確認する作業員
リクシルのトイレ製造拠点である知多工場に設置されているモニター。完成品の品質管理業務を効率化するアプリは、ノーコードで作成されている

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LIXIL(リクシル)のトイレ製造拠点である知多工場(愛知県)。従業員たちが見つめる画面には、完成した便器について出荷前にチェックすべき箇所が示されている。

以前は長年の経験が物を言う難しい作業だったが、今はこの画面を見れば一目瞭然。若手でもいちいち仕様書を確認することなく、容易に確認箇所を把握できるようになった。

このシステムはグーグルの提供するノーコード開発ツール・AppSheet(アップシート)を駆使し、現場主導でつくり上げられたものだ。各現場の社員が自ら業務内容を見直し、自律的にデジタル化を図っていく──。そんな「デジタルの民主化」を社内で強力に後押ししているのが、全社的に活用しているノーコードだ。

まずは全役員が挑戦

ノーコードとは、ソースコード(プログラミング言語で書かれた文字列)の記入をしなくてもアプリやWebサービスをつくれる開発手法のこと。パワーポイントや年賀状作成ソフトのような使用感で、テンプレートやパーツを選んで組み合わせるだけでアプリが完成してしまうものもある。

こうしたツールの提供企業が世界中で増えてきたこともあり、非IT人材にとってのDXの“救世主”として、近年注目度を高めている。

リクシルでは、アップシートの活用を促進する全社的な取り組みを2021年10月に開始。直近2023年1月までに約5000人の社員が参画し、約2万8000個のアプリが誕生している。

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