「子どもの自己肯定感」成長を邪魔する大人の心理 「大人の怯え」が子どもから失敗の機会を奪う

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自分から行動しない「いい子症候群」の学生が増えているのは、周囲の大人の「ある心理状態」が原因ではないかといいます(撮影:尾形文繁)
著書『先生、どうか皆の前でほめないで下さい』で若者心理に迫ったイノベーションとモチベーションの研究家、金間大介氏。偏差値35から東大に合格した勉強法を著書『東大独学』にまとめた西岡壱誠氏。
2人の共通点は、若者の教育の最前線に立っていることだ。金間氏は金沢大学と東京大学で教鞭をとっており、西岡氏は全国の中学・高校で生徒に勉強法を教える会社を経営している。
そんな2人には、現在の子どもたちはどう見えているのか。ざっくばらんに語り合った対談の前編をお届けする。

自分から行動しない「いい子症候群」

西岡壱誠(以下、西岡):金間先生のご本を本当に面白く読ませていただきました。

先生、どうか皆の前でほめないで下さい: いい子症候群の若者たち
『先生、どうか皆の前でほめないで下さい』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

特に、最終章で「何のために勉強するのか」というモチベーションについて触れられた部分で、目的のある勉強と、目的がない勉強は全然違うと書かれていたところが印象的でした。

僕自身、偏差値35だったころは、勉強といってもペンを持って動かすだけで、何の目的もなかったんです。そこから、「東大に合格するぞ」という目的とモチベーションが生まれたときに、馬力を発揮できました。

僕の周りも含めて、自分から行動しない「いい子症候群」の若者は多いですね。高校で講演すると、「自分も東大に行きたいです」と言ってくれる子が1人や2人は現れます。でも、いくら「もっと上を目指せるよ」と話しても、「いや、自分はこのぐらいでいい」という子のほうがずっと多いですね。

金間大介(以下、金間):いい子症候群の若者は、「すごい人がいるな、でも自分にできる話じゃないな」となりますが、西岡さんの話を聞いて、自分も目指そうと思う子が出てくるなんて、すごいですね。話し方の秘訣があるのでしょうか。

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