「自分らしさからかう人」医師が語る上手な接し方 相手の「普通」に無理になじもうとしなくていい

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その人の自分らしさは、10代の時期にはまわりの人にあまり評価されないかもしれません。気の合う友だちはなかなか見つからないかもしれない。

でも、自分が好きなことをずっと大事にしていると、これからの人生のどこかで、その「好き」に共感する人、その「好き」を評価する人に出会える可能性があります。その「好き」が生涯続く趣味になったり、将来の仕事にむすびついたりすることも、案外あったりするものです。違和感を大事にすることが、結果的に自分を大事にすることにもなるんです。

自分らしさを大事にすれば後悔することも少なくなる

誰かの言う通りにして生きていると、大きな失敗をしたときや、大好きなものをあきらめなくてはいけなくなったときに、ひどく後悔するものです。

それに対して、自分の好きなもの、やりたいことを大事にして、自分自身で何をするかを決めて行動すると、後悔が少なくなります。失敗すればもちろん後悔はしますが、人に言われてやったときとは、後悔の仕方が変わります。

人の言う通りにして失敗したときには、自分を情けないと思うだけでなく、人のことを信じられなくなったりもします。「あいつのせいだ」と相手を責める気持ちが頭から離れず、かといって自分の考えにも自信が持てなくなってしまうんです。一方、自分で決断したときには、後悔はあっても「次はどうしよう」と試行錯誤できるようになります。

そういう意味でも、みなさんには好きなもの、やりたいことを大事にしてほしいと思います。

大切にしたいものを大切にするために

「普通」を捨てるのは、何かをあきらめることに似ています。

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でもそれは、あなたが「本当に大切にしたいもの」を明らかにするための、前向きな行動です。

誰かが決めたルールにしばられて、自分のよさを消してしまわないように。みんなとの「違い」を見ながら、ゆっくりと自分らしさを見つけて、大切にしていきましょう。

本田 秀夫 信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授

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ほんだ ひでお / Hideo Honda

精神科医師。医学博士。特定非営利活動法人ネスト・ジャパン代表理事。1988年、東京大学医学部医学科を卒業。1991年より横浜市総合リハビリテーションセンターで20年にわたり発達障害の臨床と研究に従事。その後、山梨県立こころの発達総合支援センターの初代所長などを経て、2014年より現職。発達障害に関する学術論文多数。英国で発行されている自閉症の学術専門誌『Autism』の編集委員。日本自閉症協会理事、日本自閉症スペクトラム学会常任理事、日本発達障害学会評議員。2013年刊の『自閉症スペクトラム』(SBクリエイティブ)は5万部超のロングセラー。

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