オウム後継「13億円資産隠し」疑惑が看過できぬ訳 被害者は泣き寝入り?賠償は滞った状態が続く

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オウム真理教の松本智津夫(教祖名・麻原彰晃)元死刑囚(写真:Natsuki Sakai/アフロ)

オウム真理教といえば、宗教法人でありながら、死者14人、受傷者約6300人の地下鉄サリン事件や、死者8人、受傷者約600人の松本サリン事件をはじめ、深夜に就寝中の家族3人を襲った坂本弁護士一家殺害事件など、さまざまな凶悪事件を引き起こして多くの人の命を奪い、傷つけ、解散命令が出たあとも名称を変えて、後継団体が活動を続けている。任意団体として活動するにあたっては、信教の自由は保障されている。

ところが、その後継団体は20年以上の歳月を経て、およそ13億円も貯め込んだはずの資産を隠し、いまだに残る10億円あまりの被害者弁償を逃れようとしている実態が明らかになりつつある。これは、いつまでたっても被害者が救済されない、絶望的な状況に据え置かれていることを物語る。

わずか3年で12億6000万円が消えた

オウム真理教の後継団体は主に3つに分かれて存続している。そのうち、教祖の麻原彰晃(本名・松本智津夫)の教えを標榜する主流派の「Aleph(アレフ)」が、団体規制法で義務づけられた活動状況の報告が不十分として、公安調査庁が公安審査委員会に再発防止処分を請求した。1月30日のことだった。

この報告が不十分として最も問題視されるのが、現金や預貯金を含めた資産額だ。アレフが公安調査庁に報告していた資産額は毎年1億円近く増加し、2019年10月の時点では約12億8000万円にのぼっていた。それが昨年10月になると約2000万円に激減。わずか3年で約12億6000万円が消えたことになる。

そこには、宗教団体が法人格を失っても、容易に資産を隠せるカラクリが見えてくる。

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