地下鉄サリン25年、オウム後継団体が蓄財の謎 主流派アレフの資産は13億円、賠償は停滞…
地下鉄サリン事件から25年になる。
1995年3月20日の朝8時過ぎ、東京の地下鉄丸ノ内線上下線、日比谷線上下線、それに千代田線の1線の計5路線の車中に化学兵器のサリンが同時に撒かれ、乗客や駅員13人が死亡、約6300人が重軽傷を負った。日本はもとより、大都市の地下鉄に戦争兵器が使われたことで、世界中が震撼した未曾有のテロ事件だ。
この事件を引き起こしたのが、オウム真理教(教団)だった。教祖の麻原彰晃(本名・松本智津夫)は、警察による教団施設への強制捜査が近いことを知り、これを阻止したいという思惑から事件の2日前の未明に、移動中のリムジン車内で教団幹部らと謀議して、犯行を決意する。
東京・渋谷区内のマンションから、地下鉄車両内に乗り込んでサリンを撒く実行役と、乗用車で実行役を乗車駅まで送り、降車駅でピックアップする送迎役の運転手がペアを組んで出撃。地下鉄車内では、サリンの入ったビニール袋を新聞紙で包んで降車駅直前で床に落とし、降車直前に先の尖った傘で刺して、中のサリンを漏出気化させた。
しかし、その2日後に警視庁は教団関連施設に一斉家宅捜索に入る。そこから、逮捕者が続出し、地下鉄サリン事件をはじめ、謎に包まれていた松本サリン事件、坂本弁護士一家殺害事件など、教団の犯した数々の凶悪事件が白日の下に曝されていくことになる。
25年前、日本に緊張が走った事件も裁判終結したが…
5月16日には、地下鉄サリン事件の容疑で教祖が逮捕されているが、それまでは教祖の逮捕阻止を狙って、新宿駅に青酸ガス発生装置が置かれるなど、信者によるテロ活動も相次いだ。報道は連日オウム一色で、まるで昨今の新型コロナウイルス対策のように、日本中に緊張が走っていた。
あの時から17年間の逃走を続け、最後に逮捕されたオウム真理教の特別手配犯だった高橋克也も、地下鉄サリン事件の送迎役だった。2018年1月に高橋の無期懲役判決が確定したことを受けて、これで一連のオウム裁判が終結。同年7月には、地下鉄・松本両サリン事件の実行役をはじめ、サリンの生成グループ、それに坂本弁護士一家殺害事件の実行犯など、教祖をはじめとする13人に死刑が執行されている。
ところが、その後継団体がここへ来て、あやしい動きをみせている。
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