銃撃事件を引き寄せた「統一教会と家族崩壊史」 政府に守られた教団と放置された宗教2世たち

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安倍元首相の国葬の様子
9月27日に行われた安倍元首相の国葬。岸田首相は「安倍さん、本当にお疲れさまでした」と追悼の辞を述べた(写真:時事)
安倍晋三元首相が銃撃され死亡した事件の背景には、「宗教」の影があった。10月3日発売の週刊東洋経済は「宗教 カネと政治」を特集。「信教の自由」という厚いベールに閉ざされた裏側をあらゆる角度から解剖した。

安倍晋三元首相を銃撃した山上徹也容疑者(42)が、「母親の統一教会への献金によって家族が崩壊した」と供述したことが報じられて以降、マスコミは一斉に「世界平和統一家庭連合」(旧統一教会、以下、統一教会)の政治への介入や多額の献金問題を取り上げるようになった。

山上容疑者の母親(70)が通う教会は一時的に閉鎖されるも、SNSを使い信者とのコミュニケーションに努める。母親と同じ教会に通う信者の一人が言う。「テレビはいっさい見ない。文芸評論家の小川榮太郎さんやタレントの太田光さんなど、信頼できる人の情報を教会がLINEで知らせてくれるので、毎日それを見ています」。そして、こう続けた。

「あの方(山上容疑者の母親)は、この宗教に出合うことで救われてきたんです。そうした面を見ず、事件の真相もまだわからないのに家庭連合を批判するマスコミはひどい。あの安倍さんが応援してくれた団体ですよ。岸信介さんの代から3代にわたって支えてくれた宗教団体なんです。悪い団体のはずがないじゃないですか」

山上容疑者は現在、鑑定留置中であり、この信者が指摘するように事件の真相解明はこれからだ。

山上という人間の「現実」はちょっと違う

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凶行に走った山上容疑者が内にたぎらせていたものは何か。それを探るうえで数少ない手がかりの1つが、フォークリフト運転手として今年5月まで派遣されていた工場での出来事だ。事件後に社長が記者会見を開き、「手順を守れ」と注意した同僚と山上容疑者が口論になっていたことが報じられた。

社長が本誌に語る。

「これまで報道された内容を見ると、山上という人間は仕事の手順を守らず、注意をした人間には誰彼かまわずかみつくタイプのように思えたかもしれませんが、現実はちょっと違うのです」

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