「親が認知症になる前に"円滑相続"」リアルな費用 認知症になってから対策するのといくら違う?

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●家族信託をしないで、認知症になった場合

成年後見制度で後見人が必要になります。後見人への支払いは月々3~6万円ほどで、これは亡くなるまで必要です。

認知症の期間が平均10年としても6万円×12か月×10年=720万円に初期費用50万円で770万円! これが認知症の1人ごとにかかります(東京家庭裁判所の基本報酬の目安は、管理財産額1000万円以下は月額2万円、1000万円超5000万円以下は月額3~4万円、5000万円超は月額5~6万円)。

●家族信託の場合

最初のときだけ、登記と専門家の費用がかかります。財産額にもよりますが、登記の費用を除き30~100万円ほどです。専門家に任せても、成年後見制度で、アリ地獄に陥ったうえに、770万円かかるより、結局は安上がりなのです。

専門家の費用は、初期費用が5万円程度(信託財産が500万円の金銭のみの場合)からあります。しかし、別途契約書作成費用・登記費用などがかかります。そして毎年の維持費用に3万円ほどにして分割払いのようにしているのです。

詳しくは、財産によって変わりますが、総合計では、先の100万円程度となると思います。ただし、短期間で亡くなると毎年の維持費がストップするので、安くなるかもしれません。「トリニティ・テクノロジー」や「ファミトラ」を検索してください。

“終活”以前の「老い支度」こそが必要

手間と安全性を考えれば、家族信託の専門家に依頼した方がよいに決まっていますが、実はここが悩みどころです。

成年後見制度のアリ地獄に陥るよりは遥かに安いのですが、まだその意識が醸成されていないため、専門家費用に対して「高い!」というイメージが先にきているようです。私のお客様でもそうです。そうこう迷っているうちに手遅れになっています。

費用面で躊躇する方は、ご自身の手間をかければ、できなくはありません。手遅れになるよりは、と考え苦肉の策として、自分で行う方法を考えたのです。最低6万円ほどの登記の費用等だけで可能です。

それでも、専門家による認知症への対策の家族信託は徐々に増えてきました。「家族信託」の件数は、登記の件数を調べれば明らかです。日本公証人連合会の初調査で、2018年に2223件だったことがわかりました。

家族信託は公正証書でする義務まではないので、総数はもっと多いでしょう。それに対して、成年後見制度は伸び悩んでいます。つまり、庶民はちゃんと良し悪しを嗅ぎ分けて合理的な選択をしているのです。

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