こうして浪人を決断した福田さんは、現役時に自分が落ちてしまった原因を考えました。そして思い当たったことが、周囲に流されてしまったことだそうです。
「僕が通っていたクラスはみんな当然のように国公立大学を第1志望にしていて、私大が軽視される風潮がありました。だから『早稲田に行く!』って言えなくて、早大受験に必要ない理科・地理の勉強や、センター試験(現:共通テスト)の対策に半分くらい時間を割いていたんです。自分の意思を持ちきれませんでした」
「目的に対しての手段が取れていませんでした」と当時の失敗を振り返る福田さん。
福田さんの現役時の成績は、名古屋大学や北海道大学でB判定を取っていたのに対し、早稲田大学はE判定が大半。国公立型の多教科で高得点を取る勉強は得意でしたが、私立型の3教科特化型の勉強は苦手だったのです。
もし最初から周囲の目を気にせず、早稲田大学のみを目指していたら、この結果も違っていたかもしれません。だからこそ、仮面浪人を始めるにあたって、まずは意識改革を行いました。プライドを捨てて自分と向き合い、自分の強み・弱みを分析したのです。
「努力がすべてだという思い込みを捨てて、目標に到達するためのやり方を考えることを頑張ったんです。だからこそ、早稲田に受かるためには各科目のどの要素が自分に足りないかを過去問を研究して突き詰めました。現役で受験したときは、得意科目の英語で英文和訳の練習ばかりしていました。でも、早稲田は英文和訳を出す学部が少ししかないので必要性は低いです。その対策を減らして、できなくて傷つくのが怖くて逃げていた苦手な速読練習を重点的にやりました」
自分の不安を日記に書く
また、抱えていた自身のモヤモヤを対処するため、日記を書くことも始めたと言います。
「毎日2000~4000字の日記を書いていました。自分の不安を言語化することで、邪念への対処の仕方がわかるようになり、感情をある程度コントロールできるようになったのです」
こうして、効率を考えずにがむしゃらに勉強を続けた現役時代から1年で考え方をガラッと転換させた福田さん。朝5時半から1限の時間帯まで塾講師やコンビニでアルバイトをして受験費用を稼ぎ、大学の授業に出席をしてからは図書館、喫茶店と場所を変えながら1日6時間の勉強に励みました。
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