診療所を悩ます情け無用の「計画停電」、検査も会計もできず、患者の生命も脅かす【震災関連速報】

診療所を悩ます情け無用の「計画停電」、検査も会計もできず、患者の生命も脅かす【震災関連速報】

東京電力による「計画停電」が、診療所に大きな負荷を及ぼしている。京王線府中駅から徒歩5分の交通至便地域に立地する「府中診療所」。1日平均65人の外来患者、100人近い往診(訪問診療)患者を持つ同診療所を、3度にわたる計画停電が襲いかかった。3月16日には予告時間の10分遅れの午後3時30分から6時25分まで停電に見舞われたのに続き、翌17日も予告時刻より10分遅れの12時30分から3時にかけて停電が続いた。18日も10分遅れで9時30分から12時5分にかけて停電となった。

府中診療所が最初に対応を迫られたのは、「在宅療養患者の電源確保」(村宮長治事務長)だった。在宅酸素療法の機械や人工呼吸器は電力で作動している。突然停止した場合、患者が命を落とす恐れもある。
 
 ただ、通常、在宅酸素療法の患者は携帯用のボンベを自宅に置いており、ボンベによる酸素供給で急場をしのぐこともできる。最近の人工呼吸器の場合、停電に対応したバッテリーを備えていることが多い。
 
 その一方で盲点となっているのが、たんの吸引器だ。「通常、人工呼吸器を付けている患者さんは、吸引ポンプを併用している場合が多い。ただ、ポンプの電源まで確保していない方が多い」(村宮事務長)。吸引を怠った場合、窒息死のリスクが高まるため、早急な対応が必要になる。
 
 そこで、同診療所では吸引ポンプを使用する患者10人の使用状況を調べたところ、「停電の場合の電源が確保できていない患者さんが3~4人いた」(村宮事務長)。
 
 このうち2人については予備のバッテリーをたくさん持っている患者から借りて対応。足踏み式の吸引器も急きょ稼働させた。また、建設関係の団体から自家発電機2台を確保してもらい、うち正常に作動した1台を患者宅に回して停電時の備えとした。「これで最悪の事態は回避できる見通しとなった」と府中診療所関係者は胸をなで下ろした。

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