12年周期でなくてもOK「大規模修繕」の大誤解 築40年超は「115.6万戸」マンション管理の課題

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マンション居住者が安心して暮らすためには、今後マンションをどのように維持管理していくのかが大きな課題となっている(写真:ABC/PIXTA)

国土交通省の調査によると、全国のストックマンション数は2021年末時点で約685.9万戸となった。そのうち築40年を超えるマンションは現在115.6万戸で、マンションストック総数の約17%を占める。同省は10年後には約2.2倍、20年後には約3.7倍へとさらに増えていくと予測している。

建物はもちろん設備の老朽化や空き室の増加、さらに居住者の高齢化も進行している。マンション居住者が安心して暮らすためには今後マンションをどのように維持管理していくのかが大きな課題となっているのだ。

管理不全に陥るマンションが増える中、マンション管理をわかりやすく「見える化」するため、2022年4月から新しい制度もスタートしている。国が主体となった「マンション管理計画認定制度」とマンション管理業協会の「マンション管理適正評価制度」である(参考:『マンションの資産価値に「管理」が重要になる理由』)。

申請については任意ではあるものの、マンション管理のあり方を再考する新たな局面を迎えているともいえるだろう。

具体的内容はあまり知られていない「大規模修繕工事」

マンションの管理について具体的な評価基準が定まる中、大きな意味を持つのが「計画的な修繕」、いわゆる「大規模修繕工事」と呼ばれるものだ。マンションの経年劣化に伴う、建物や設備の不具合を状況に合わせて補修するもので、周期や時期については明確に定められてはいない。建物の構造や立地条件次第で修繕の時期は異なるものの、一般的には12~15年の周期で実施するとされているものだ。

実際にマンションにお住まいの方や購入を検討している方なら、一度は「大規模修繕工事」について耳にしたことはあるだろう。また実際に管理組合の活動に携わる中、「大規模修繕工事」について頭を悩ませる場合もあるかもしれない。

とはいえ「大規模修繕工事」の言葉だけが独り歩きし、具体的な内容についてはあまり知られていない部分も大きい。加えて当社がお客様にお話を伺った経験上、工事について誤解をお持ちの方も少なくないように感じている。

次の項目からは、「大規模修繕工事」で勘違いしがちな点、誤解を受けやすいポイントに絞ってお伝えしていこう。

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