過去最高益目前!トヨタ大復活の真相 数字で読む「トヨタが白鵬」である理由
いきなり本題のトヨタの話をせずに、なぜこの話をしたかといえば、収益力を高めるためには、何が必要かということを強調したかったからです。高い収益力を獲得するには、次の2点のいずれかが必要です。
Aさんは、原価の20%増しの商売をしていたので、「利幅の厚い商売」をしているわけではありません。Aさんのビジネスが驚異的なことは、朝、事業に投入した資金が、その日のうちにマージンをつけて回収されるという資金の回転速度の速さにあります。
重視すべきは資本の回転速度
これは、世の企業においても同じです。製造業を例にとるならば、以下のプロセスが長いか短いかが、収益力のカギを握ります。
この一連のプロセスに、ふつうの会社は何カ月もかかるのですが、先のAさんのビジネスはたった1日だったのです。Aさんほどのスピードは無理だとしても、世の中の企業では、このプロセスの速い会社は遅い会社に比べて収益力が高いのです。
資本の回転速度が高く、収益力のある会社というのは、一言でいえば、モノやサービスをさっさと作ってさっさと売って、さっさと代金を回収する会社です。
これに対して、いわゆるダメな企業というのは、
「原材料を買ったのに、なかなかこれを工程に投入しない」
「原材料を工程に投入したのに、なかなか製品が完成しない」
「製品ができたのに、なかなか売れない」
「製品を売ったのに、なかなか代金が回収されない」
というものです。
ここで、製品を売った後の代金の回収条件というのは、得意先によって決められることも多く、その会社が自由に設定できるものではありません。
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