過去最高益目前!トヨタ大復活の真相

数字で読む「トヨタが白鵬」である理由

いきなり本題のトヨタの話をせずに、なぜこの話をしたかといえば、収益力を高めるためには、何が必要かということを強調したかったからです。高い収益力を獲得するには、次の2点のいずれかが必要です。

1. 利幅の厚い商売をする
2. 資本の回転速度を高める

Aさんは、原価の20%増しの商売をしていたので、「利幅の厚い商売」をしているわけではありません。Aさんのビジネスが驚異的なことは、朝、事業に投入した資金が、その日のうちにマージンをつけて回収されるという資金の回転速度の速さにあります。

重視すべきは資本の回転速度

これは、世の企業においても同じです。製造業を例にとるならば、以下のプロセスが長いか短いかが、収益力のカギを握ります。

(材料仕入れ)→(工程投入)→(製品完成)→(販売)→(代金回収)

この一連のプロセスに、ふつうの会社は何カ月もかかるのですが、先のAさんのビジネスはたった1日だったのです。Aさんほどのスピードは無理だとしても、世の中の企業では、このプロセスの速い会社は遅い会社に比べて収益力が高いのです。

資本の回転速度が高く、収益力のある会社というのは、一言でいえば、モノやサービスをさっさと作ってさっさと売って、さっさと代金を回収する会社です。

これに対して、いわゆるダメな企業というのは、

「原材料を買ったのに、なかなかこれを工程に投入しない」

「原材料を工程に投入したのに、なかなか製品が完成しない」

「製品ができたのに、なかなか売れない」

「製品を売ったのに、なかなか代金が回収されない」

というものです。

ここで、製品を売った後の代金の回収条件というのは、得意先によって決められることも多く、その会社が自由に設定できるものではありません。

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