過去最高益目前!トヨタ大復活の真相 数字で読む「トヨタが白鵬」である理由

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また、2007年当時は、ドルが115円から120円程度であり、2013年の90円から100円程度に比べて円安でした。またユーロも、2007年度は160円程度でしたが、2013年度は130円程度になっています。

したがって、2007年よりも、2013年のほうが為替相場が不利であったにもかかわらず利益が拡大しています。これは、この5年ほどの間に、コスト削減などの企業努力が成果を上げており、利益体質が強化されたことを意味します。

そういうところが、トヨタのすごいところです。トヨタ、ホンダ、日産は自動車業界の「横綱」ともいえる存在ですが、こうしたことから、トヨタは白鵬(優勝回数34回の大横綱)で、ホンダと日産は日馬富士と鶴竜のように見えてしまうのです。

まもなく発表される2014年度の決算を予測

2014年のトヨタにおいては、4月から12月までの第3四半期のデータが開示されています。

これを見ると、2014年度は2013年度の業績を上回って推移していることがわかります。

その要因は、①欧米市場におけるストック循環による需要の増加が続いていること、②2014年にはドルが120円程度となり、さらなる円安が生じていること――が挙げられます。また、苦戦しているインド市場においても、ルピー安が生じており、競争力が増していることも考えられます。

一方、日本市場では、消費税の増税という減少要因があるものの、これらの為替要因がそれを補って余りあると思われます。さらに、2013年にはリコール問題に関連して米国での和解金の負担(数千億円)があったものの、2014年には、このような経費負担が大幅に軽減されます。したがって、2014年度は過去最高益が更新されることが確実視されます。

例年、トヨタ自動車ではゴールデンウイーク明けに決算発表が行われます。おそらく今年も5月上旬には決算発表の記者会見があるでしょう。

上記の分析の結果として、目下、筆者は「当期純利益が史上初の2兆円超え」の決算発表を予想しています。はたしてこの予想は的中するのでしょうか。そういうこともあって、筆者は、かたずをのんでトヨタ自動車の決算発表を待っております。

(撮影:尾形文繁)

 

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前川 修満 公認会計士、税理士

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まえかわ おさみつ / Osamitsu Maekawa

1960年金沢市生まれ。公認会計士・税理士。日本証券アナリスト協会検定委員。同志社大学卒。
澁谷工業、KPMG港監査法人(現、あずさ監査法人)を経て、フリーに。2006年にアスト税理士法人を設立。
代表社員に就任し、現在にいたる。日本税務会計学会会員。
著書に『決算書はここだけ読め! 』『危ない会社は一発でわかる』(以上、講談社)などがある。

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