過去最高益目前!トヨタ大復活の真相 数字で読む「トヨタが白鵬」である理由
ホンダはいわゆるダメ会社ではないのですが、資本の回転速度においては、トヨタがホンダをはるかに凌駕していることがわかります。
トヨタ自動車といえば、「かんばん方式」が有名ですが、必要なときに必要な量のみを購入・供給するという仕組みが資本の回転速度の向上に寄与していることが、このデータからもわかります。
ちなみに、作ったものが売れないと、この「棚卸し資産回転期間」が無意味に膨らみます。ですから、この指標は低水準が望ましいのです。
世の中には、この指標が著しく増大し、経営が行き詰まってしまった会社もあります(拙著『決算書は「下」から読む、が正解!』(SB新書)では、その具体例を紹介していますので、ぜひご一読ください)。
トヨタの業績の推移
さて、話をトヨタの損益計算書に移しましょう。過去10年間の同社における連結損益計算書の主要データは、以下のとおりです。
トヨタは、2008年のリーマンショックによる需要減少に加え、2009年に米国において大規模リコール騒動が生じ、売上高および利益の大幅減少を余儀なくされました。その結果、2008年には営業赤字になり、その後においても利益の低迷が生じました。
その業績が、2012年度より顕著に回復し、直前期である2013年には過去最高水準を更新する1兆8231億円もの巨額の当期純利益を獲得しました。
この増益要因を詳しく分析すると、下記のようになります。
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