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ロシアは資源大国から凋落し中国に依存する ヤーギン氏に聞く「エネルギー地政学」の未来図

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エネルギー問題の権威、ヤーギン氏は「大国間競争の新時代」が訪れると予言する。

S&Pグローバル 副会長 ダニエル・ヤーギン氏
ダニエル・ヤーギン(Daniel Yergin)/S&Pグローバル 副会長。1947年生まれ。米イェール大学卒業、英ケンブリッジ大学で博士号取得。エネルギー問題の権威として米エネルギー省長官の諮問委員会委員などを歴任。著書にピュリツァー賞を受賞した『石油の世紀』や、『新しい世界の資源地図』など。(写真:Bloomberg/寄稿者)

特集「どうするエネルギー危機 どうなる脱炭素」の他の記事を読む

ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに、高まるエネルギー危機。エネルギー問題の世界的権威であるダニエル・ヤーギン米S&Pグローバル副会長は、「危機は始まったばかり。まだ終わらない」と説く。(インタビューは1月末に書面で実施)
[3つのポイント]
・ロシアは地政学的な力を失い中国へ依存
・気候変動対策を背景に国家はより市場へ介入
・鉱物資源の確保が次の大国間競争の火種に

──ロシアによるウクライナ侵攻から1年となります。侵攻の影響をどうみていますか。

ウクライナ戦争がいつ終わるかは誰にもわからない。いま予想されているのは、ロシアによる新たな大攻勢だ。プーチンはこの戦争に負けるわけにはいかないからだ。一方の欧米側は、世界の安定やアジアといった他地域への波及、国際法違反やロシアの残虐性といった理由から、プーチンに勝たせるわけにはいかないと考えている。

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