キャリアの可能性を狭める「思い込み」の正体 アンコンシャスバイアスとはいったい何か?
編集部:人や環境が本当に悪いケースもあるけれど、「頭ごなしにダメだと決めつけていないか」という冷静かつ客観的な視点を持つ必要があるわけですね。
守屋さん:そのとおりです。「私はこの会社でどう働きたいのか」を考え、それに対して「自分に何ができるのか」を考えましょう。
編集部:例えば、古い体質の企業の中には女性だけがお茶を出すなど、「女性だから」の役割が課されているところもありますよね。
そういうアンコンシャスバイアスも「どうせ変わらない」ではなく、変えることができる……?
守屋さん:女性社員だけがお茶を出すという決まりは、ただ昔からの慣習が続いているだけかもしれません。
「なぜ女性だけがお茶だしをするのか」と口に出すことで、あっさり変わることもあると思いますよ。
編集部:特別な意図や悪意があるわけではなく、何となくで続いてしまっている。そういう職場の慣習やルールはたくさんありそうですね。
守屋さん:大切なのは「私はこうしたい」と伝えることです。
話さなければわからないことはありますから、「察してほしい」ではなく、「私」を主語に声を上げることにトライしましょう。
「『どうせ聞く耳を持ってくれないだろう』という思い込みはないだろうか」と自らを省みて、まずは周りの人に相談をしてみるなど、できる範囲で一歩を踏み出すことが未来を変えると思います。
自分らしい生き方が見えてくる
編集部:お話を聞くうちに、なんだかあらゆることがアンコンシャスバイアスなのではないかという気がしてきてしまいました……。
守屋さん:たしかにアンコンシャスバイアスから逃れることはできませんし、思い込みは日常にたくさん潜んでいます。
重要なのは、「気づいてよかった」と思えるために、アンコンシャスバイアスと向き合い続けること。
頭ごなしに決めつけずに、「できるかもしれない」を大切にする。アンコンシャスバイアスと向き合うことは、明るい未来を描くことにもつながるのだと思います。