キャリアの可能性を狭める「思い込み」の正体 アンコンシャスバイアスとはいったい何か?
守屋さん:「周りに合わせなければいけない」もアンコンシャスバイアスです。
例えば、「職場に女性の管理職がいないから、自分もなれないだろう」「周りが管理職になりたがっていないから、自分も手を挙げるのはやめておこう」などですね。
編集部:「ロールモデルがいないから無理」と思ってしまう背景にも、「周りと違うことはできない」という思い込みがあるのかもしれませんね。
守屋さん:「多くの人がやっていること=正しい」と思いたくなる心理は多くの人にあるものです。だから「ほかの人がやってないから私もやらない、やれない」と思ってしまうのかもしれません。
ただ、結果として、そのままでは自分の望む道を選べなくなってしまいます。
「私」を主語にして気持ちを切り替える
編集部:どうやって気持ちを切り替えたらいいでしょうか。
守屋さん:「本当にそうなのかな?」と疑いつつ、「私」を主語にすることが大切です。
「周りに合わせなければいけないと思い込んでいるかも」と思えるだけでも、「じゃあ自分なりの意見は何だろうか」と考えたり、実際にそれを発言したりといった「私」を主語とした行動につながります。
編集部:できる範囲で少しずつ「私」を主語に行動していく。自信にもつながりそうですね。
守屋さん:私たちが思う「当たり前」は、過去にやってきたことの積み重ねです。
それが暗黙のルールになっていることもあるので、まずは当たり前を疑うことから始めていただければと思います。
そして、「それは当たり前ではないのでは?」と発言をすることで、自分と周りの当たり前が上書きされていくきっかけとなるかもしれません。
守屋さん:これまでお話ししてきたのは自分に対するアンコンシャスバイアスの例でしたが、「この人たちに言っても無駄だ」「どうせこの会社は変わらない」といった、周りの人や環境に対するアンコンシャスバイアスもあります。
編集部:言われてみれば、たしかに……!
守屋さん:人や環境に対するアンコンシャスバイアスにとらわれてしまうと、「どうせ変わらない」と決めつけることになり、その結果、環境を変えられる可能性を自らつぶしてしまう。
勝手な思い込みが自分の悩みごとを生み出してしまうこともありえます。