キャリアの可能性を狭める「思い込み」の正体 アンコンシャスバイアスとはいったい何か?

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守屋さん:アンコンシャスバイアスは誰にでもあるもので、日常のさまざまな場面に潜んでいます。

必ずしもネガティブな影響を及ぼすとは限りませんが、中には相手に対してネガティブな影響を及ぼしたり、自分の可能性を狭めるアンコンシャスバイアスもあります。

編集部:どういうことでしょう?

守屋さん「こういうものだ」という思い込みは、選択の幅を狭めます。

「こういう働き方はできないだろう」「この業務は向いていないに決まっている」と決めつけてしまうことは、未来を限定してしまうことにもつながるのです。

なぜアンコンシャスバイアスを抱くのか

編集部:自分で選択肢を減らしてしまっているのですね。

そもそもの質問ですが、なぜこのようなアンコンシャスバイアスを抱いてしまうのでしょうか。

守屋さん:要因はさまざまですが、これまでに見聞きしてきたことや自身の経験、「あなたに〇〇はできない」と他者から言われたこと、職場での低評価などが、ネガティブなアンコンシャスバイアスの根底にあることは多いと思います。

編集部:「女性にハードな働き方はできない」「女性は家庭を優先すべき」といった社会の固定観念も影響しそうですね。

守屋さん:そういった固定観念を聞く機会が多いほど、「そういうものなんだ」と思い込んでしまうことはあるかもしれません。

可能性を狭める思い込み1.「私には無理」

編集部:キャリアの可能性を狭めるアンコンシャスバイアスの例を教えてください。

守屋さん:まずは、新たな仕事を打診されたときに「私には無理」ととっさに思うことです。

編集部:それもアンコンシャスバイアス……!?

守屋さん:実際にやってみたらできるかもしれないのに、「私にはできない」と無意識に思ってしまうわけですから。

編集部:本来は「やったことがないから、できるかどうかわからない」ですもんね。

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