キャリアの可能性を狭める「思い込み」の正体 アンコンシャスバイアスとはいったい何か?

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守屋さん:やってみたら意外とどうにかなる可能性は十分あります。

頭で考えているだけでは自分の想像の域をなかなか出られないですから、とにかく一歩踏み出してみることが大切です。

編集部:とはいえ「自分には無理」と思ってしまっているわけで、その勇気はないんですよね……。

自分の可能性を確かめる

守屋さん:そういうときは人と対話をしてみましょう。

自分とは違う考え方に出会い、「本当に無理なのか」を自分に問う、いい機会となるかもしれません。

編集部:客観的に、自分の可能性を確かめるわけですね。

守屋さん:それに会話をすることで「そのやり方ならできそうだな」と、新しいアイデアが得られるかもしれません。

最初から無理だと思い込んでしまうと、「どうせ否定されるだろう」と相談もしなくなってしまいます。

アンコンシャスバイアス自体はなくすことができないものだからこそ、「できるかも」という発想を頭の片隅に置くことを意識してみてください。

可能性を狭める思い込み2.「今さら変われない」

守屋さん:「せっかくここまでこの会社にいるのだから転職はできない」「この仕事を10年間やってきたからキャリアチェンジはできない」など、「今さら変われない」と思ってしまうアンコンシャスバイアスもあります。

編集部:キャリアを重ねるほど、そう思いがちですね。

守屋さん:何かを変えるには「やめる」「捨てる」が必要になることもあるだけに、これまでの経験や環境を変えることで「何もできなくなるのではないか」という不安に駆られてしまう面はあるでしょうね。

編集部:もちろん本人の状況によるという前提ですが、これも変えようと思えばいつでも変えられる……?

守屋さん:そうですね。

編集部:ただ、「やっぱりやらなければよかった」という結果になる可能性もあるわけで……。

だからこそ「今さら変われない」と自分に言い聞かせてしまうこともある気がします。

守屋さん:まずは、自分の思いを口に出してみましょう。そのうえで、その思いに関連するイベントに参加して情報を得たり、いろいろな人に話をしたりすることで、「こういう世界もあったんだ」という発見があるかもしれません。

そして、それが「変われるかも」という自信につながるように思います。

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