その結果は、低い声にカリスマ性がある、という説を裏付けるものだっただけでなく、高い声と低い声を使い分け、声に幅がある人は、より強いリーダーシップが期待できるというものだった。
低い声は威厳や力強さを印象付ける一方で、高い声は親しみやすさやエネルギッシュさや情熱を表現する。その使い分けができれば、様々な場面で、人を魅了できるというわけだ。高低差だけではなく、スピードや大きさ、トーンなど声に様々な変化をつけることでより、その魅力はさらに高まる。
小さい声で聞き取りにくいのはよくないが、大きな声で怒鳴りっぱなしも同じぐらい悪い。最悪なのが、最初から最後まで同じ声量、同じトーン、同じスピード、つまり、モノトーンであることだ。
変化のない声は脳を沈黙させる
東京五輪招致チームのプレゼンコーチを務めたマーティン・ニューマン氏によれば、「古代、人間は、獲物が動く、という視覚の変化にとっさに反応し、脳は覚醒した。人間の脳は『変化のないという環境』では、刺激を受けない」という。つまりモノトーンのコミュニケーションは、脳を眠らせてしまうようなものなのだ。
さて、それでは、どうやってあなたの「声力」を磨くのか。次回は、筆者のニューヨークのアクティングスクールでの体験から、「ブロードウェイ式ボイストレーニング」のヒミツの一端をご紹介する。
最後に今回の黄金律をまとめておこう。
① 低い声を磨こう
高い声は、低い声に比べて、「従順」「弱い」といった印象に結びつく。リーダーシップを発揮し、自らのカリスマ性を上げていくには「低い声」を鍛えよう。ただし、無理に作ろうとせず、じっくりとトレーニングをしていくことが必要。
② 声に幅を持たせよう
低い声から高い声まで、幅のある声を使い分けることで、聞き手をより魅了できる。威圧感をもって叱る時には低い声、励ます時、鼓舞するときにやや高い声など、自由自在に使い分けられると、カリスマ力は一気にアップする。
③ 声に変化をつけよう
高低だけではなく、強弱やスピードのコントロールなど声に変化をつけることで、聞き手を飽きさせず、惹きつけることができる。言葉と言葉の間の「間(ま)」も非常に有効な武器になる。
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