「マッチングアプリ」30代独身男性が味わった絶望 「普通の男性」にとっては無理ゲーなのか

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マッチングアプリを使う目的を間違えると、かえって辛い思いをすることになるかもしれません(写真:zon/PIXTA)
脳科学から統計学まで、幅広い学術的根拠をもとに、「幸せに生きるにはどうしたらいいか」を研究する「幸福学」。その第一人者ともいえるのが、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科の前野隆司教授です。
前野氏によれば、幸福には2種類が存在し、ある片方だけを満たし続けるような生き方では、真の幸福を手に入れるのは難しいといいます。それは恋愛においても同じこと。同氏の『幸福学の先生に、聞きづらいことぜんぶ聞く』から、マッチングアプリで絶望を味わった男性を例にした幸福な恋愛について解説します。

マッチングアプリの「現実」

拙著『幸福学の先生に、聞きづらいことぜんぶ聞く』では、ある独身男性からさまざまなトピックについて打ち明け話をしてもらっています。その1つが恋愛です。もうすぐ30代半ばに差しかかろうとする彼は、自分に自信が持てないこともあり、恋愛を諦めかけていました。

しかし私との対話を通して、「幸福」と「出会い」に相関があるらしいと気付き、新たなパートナー探しに邁進することになります。そのために使い始めたのが、マッチングアプリです。「(登録したときは)正直、ワクワクしましたね」とのことでした。

しかしすぐに彼は失望を味わうことになります。マッチングアプリの基本的なシステムとして、男女ともに自分の顔写真や年齢、身長といった「すぐ判断できる」ステータスを登録する必要があります。その上で、会ってみたい相手を見つけたら「いいね!」を送るという流れです。

「いいね!」を送られた側がそれに応じれば、めでたくマッチング開始となります。反対にいえば「いいね!」を送っても、相手がそれに応じなければ、何も起きません。もう想像がつくかと思われますが、青年には、ほとんど何も起きなかったのです。マッチングアプリ登録後に会った青年は、明らかにやさぐれていました。

「先生は大事なところから逃げていましたね?」。不可解なことを言い出す青年。とりあえず私は、話を聞いてみることにしたのです。

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