ホームセンターの「プロ業態」参入が相次ぐ事情 業績は好調、目指すは金物・資材の「ワークマン」

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出店が過熱する中でも各社のプロ業態は絶好調だ。コーナンPROは2022年3~11月期の全店売上高が前年同期比で7.2%増、ホダカは同9.8%増で推移する。主力のホームセンターが前年割れで推移する中、数少ない成長領域となっている。

好調を支える要因は、主に2つある。

1つ目は、金物屋の減少だ。中小規模の町の金物屋は風前の灯にある。金物小売業の事業所数は1982年の2万1147、2002年の1万0771、2016年は2199と漸減が続く(商業統計調査)。ネジ、クギなど金物はホームセンターのほうが安価であり、徐々に顧客が流れていった。競争激化と後継者不足が重なり、廃業する店は増え続ける一方だ。プロショップならば工具から資材まで一気通貫で購入できるため、職人の間で便利さが認知され始めている。

コーナンPROは2001年に1号店を大阪市東淀川区に出店したが、長らく集客に苦労した。しかし職人の間で徐々に口コミで広がっていったことで好転し、「市場が頭打ちの中で第2の核としてプロ業態に力を入れる方針になった」(コーナンPRO営業部PRO業態開発グループの八坂健一郎マネージャー)。

ホダカも2011年に出店を開始したが、「職人さんに認知してもらえるまで時間がかかった」(加藤執行役員)。出店後に力を入れたのが、来店した職人から話を聞くことだった。必要な商品を言われたら、次の来店までに店に仕入れておく。ホダカには再雇用を含むベテラン社員が多く配置されており、接客に力を入れている。地元客を取り込みながら、店舗を広げてきた。

1人の職人が多様な工事を

電動工具の品ぞろえは幅広く、試してから購入する人も多い(撮影:梅谷秀司)

2つ目は、新築着工件数の頭打ちだ。地元の工務店はゼネコンからの下請けが減り、リフォームを筆頭に職人個人で行う仕事が増えている。かつては住設機器メーカーなどの営業が御用聞きとして現場に出入りしていたが、徐々に減っていった。職人自らが工具や資材を買う場所として、プロショップがニーズの受け皿となっている。

並行して進むのが、職人の多能工化だ。内装工事から水回りまで1人の職人が請け負うケースが増えている。本職以外の不慣れな工事は仲間と情報交換したり、YouTubeを参考にする職人もいるほどだ。プロショップに行けば塗料から天井材、温水洗浄便座まで必要なものはすべてそろうが、材料の型番の違いがわからずに悩む職人は少なくない。

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