トヨタ「AE86」電動化&水素エンジン化の真意 メーカーが提案する旧車コンバートの実現性

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規制は、基本的に乗用車(3、5、7ナンバー)は対象外だが、筆者の愛車は1ナンバー。貨物自動車を自家用として乗っていたため、規制対象となった。乗り続けるには、‪粒子状物質を削減する‬装置を別途付ければよかったが、当時はそうした装置があまり出まわっておらず、あっても高価だった。かなり気に入ったクルマだったのだが、泣く泣く手放すことになった。おそらく、当時、トヨタ「ハイエース」など、1または4ナンバーとなる商用バンのディーゼル車などを自家用で乗っていた1都3県在住のユーザーなどには、同じ体験をした人も多いだろう。

もちろん、当時のディーゼル車は、今のクリーンディーゼル車などと比べると、かなり劣悪な排気ガスを出していたため、規制自体は仕方ないだろう。だが、自治体の条例により、「今まで乗っていた愛車が乗れなくなった」という事例は、すでにあるのだ。あくまで私見だが、そう考えると、今後、「古いガソリン車も乗れなくなる」といった条例を定める自治体が出てくる可能性は、十分にありうるといえる。

レストアやリフレッシュサービスの可能性

今回発表されたAE86のBEV化や水素エンジン化の技術は、まだ開発中で、いつ頃の実用化を目指すのかなどは明らかにされていない。だが、もし、実用化されれば、例えば、トヨタの販売店などに愛車を持ち込んで、レストアのようにエコカー化のサービスに発展することが十分に期待できる。そうなれば、年式を問わずガソリン車に乗れない時代が到来したとしても、オーナーは愛車に乗り続けられる。また、技術が進み、AE86だけでなく、幅広い車種に対応可能となれば、ガソリンエンジンを搭載する旧車を長く乗り続けたい多くの愛好家にとって朗報になるだろう。

余談だが、今回のTGRブースでは、「86Re:PROJECT」という新サービスも発表された。これは、トヨタとスバルが共同開発し、2.0L・水平対向4気筒エンジンを搭載する現行GR86の先代モデル、2012年に発売された初代「86」のリフレッシュサービスだ。

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