トヨタ「イプサム」3列シートを大衆化した立役者 手頃なサイズ感と7人乗りが新鮮な存在だった

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2代目イプサム
3ナンバー車となってデビューした2代目イプサム(写真:トヨタ自動車)

2代目イプサムは、基本的な価値は初代を継承したが、3ナンバー車になった。また、同じ年に、前輪駆動となった本格的5ナンバーミニバンとしてノアが登場している。加えて、やや背の低い「ウィッシュ」が、2003年に新登場した。これらによって2代目イプサムは、ノアとウィッシュの中間的な存在となり、その意義が薄れはじめたのではないか。すなわち、ミニバンとしてはノアを選べるし、クロスオーバー的な価値としてはウィッシュのほうがミニバンとは明確に異なる見栄えと実用性がある。

3ナンバー化の代償と、役目を終えて2代で歴史に幕

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また、室内の使い勝手や乗員の快適性といった性能では、3ナンバーとなった2代目のほうが優れていたはずだが、日々の暮らしにも、休暇での移動でも、ちょうどいい存在感という点において、3ナンバー化がはたして意味があったかどうか、判断はむずかしい。そして、この2代目で、イプサムは2009年に生産を終了し、翌年に販売を終えるのであった。

トヨタ・イプサムとして、いまなお記憶に残るのは初代であり、1年365日、日々の暮らしも余暇もそれなりに満たしてくれるイプサムの意義は、初代に凝縮されていたといえるだろう。

1990年代のクルマはこんなにも熱かった
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御堀 直嗣 モータージャーナリスト

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みほり なおつぐ / Naotsugu Mihori

1955年、東京都生まれ。玉川大学工学部卒業。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。日本EVクラブ副代表としてEVや環境・エネルギー分野に詳しい。趣味は、読書と、週1回の乗馬。

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