ペットブームで経営改革を迫られる「動物病院」 「経営と診療の分離」がいま求められている

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ペットブームの中で見えてくる動物病院の課題と、果たすべき役割とは(写真:アオサン/PIXTA)
コロナ禍にともなう在宅時間の増加や、高齢者や単身世帯の癒し需要などで、ペットの飼育がブームになっているという。
「ペット関連のマーケット自体はずいぶん前から拡大を続けており、市場規模1.5〜1.6兆円ともいわれている」と語るのは、神奈川県を中心にプリモ動物病院グループを展開する生田目康道氏。ペットブームの中で見えてくる動物病院の課題と、これから果たすべき役割とは何か。生田目氏の近著『「人」が育つ組織 首都圏最大規模の動物病院グループが大切にするチームマネジメント』から一部を抜粋、再編集して解説する。

ペットにお金をかける人が増え続けている

マーケット拡大の背景にあるのはペットの家族化です。昔は、飼い犬の多くは雑種犬で、お手製の犬小屋で暮らし、餌はボコボコに凹んだ鍋で食べている。今だったらかわいそうと思われてしまうかもしれませんが、昭和から平成初期くらいまでは、そんな風景をあちこちで目にしました。

それが、特定の犬種がブームになったり、小型犬が人気を集めたりといった時代の変遷を経て、家の中で飼うスタイルが主流になり、ペットは人とともに暮らす「コンパニオンアニマル」へと変わってきたのです。

この変化に歩調を合わせるように、ペット関連のマーケットは拡大してきました。ペットフードはどんどん高品質になり、ペット用の衣服やケアグッズ、衛生用品といった関連商品も充実しています。

もちろん医療も例外ではありません。ペットという〝家族〟の健康を託される動物病院には、これまで以上に機能が求められるようになり、動物医療そのものの高度化や専門分化へのニーズも高まってきました。

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