シャンシャン渡航まで1カ月弱どんな準備をする? 2月に順豊航空の「チャーター便」で中国へ行く
シャンシャンは、成田空港から成都の空港まで、チャーター便の貨物機に乗る。運航するのは中国の貨物航空会社の順豊(じゅんほう)航空。パンダ輸送に豊富な実績のある阪急阪神エクスプレスが手配した(参照:『シャンシャン中国に送るエキスパート集団の正体』)。
旅客機の場合は、乗客の座席の下の空間にパンダが入った輸送箱を積み込むのが一般的。一方、シャンシャンが乗る貨物機は、阪急阪神エクスプレスによると、座席と同じ空間に輸送箱を積み込む。そのため上野動物園から同行する専門家は、飛行中(離着陸時を除く)でもシャンシャンの様子を確認しやすい。温度や湿度などは旅客機でも貨物機でも適切に管理される。
アメリカなど中国国外のパンダが中国へ行く際は、おやつや遊具を一緒に飛行機に積んだこともあった。シャンシャンが乗る飛行機に何を積み込むかは、現在、上野動物園が中国側と調整中だ。
ちなみにシャンシャンの好物はリンゴ。ニンジンは、「苦手みたいです。全然食べないこともないのですが、あげてもあまり食べないですね」(大橋課長)。
シャンシャンの棲みかは、中国大熊猫保護研究中心(中国ジャイアントパンダ保護研究センター、CCRCGP)の基地がある四川省の臥龍(がりゅう)、都江堰(とこうえん)、雅安(があん)のいずれかになる見通し。上野動物園によると1月18日時点で、どこになるかは未定だ。
屋外で観覧できるのは最後
シャンシャンの中国行きを目前に控え、ファンの寂しさも募っている。1月17日~20日(16日は休園日)、上野動物園の正門前の広場は、開園する午前9時30分の前から人で埋め尽くされた。開園すると、ほぼ全員がシャンシャンの観覧列に並んだ。
多くの人が並んだのは、「抽選なしで」「屋外で」観覧できる最後の週となったため。検疫が始まれば、室内のみでの公開になる。シャンシャンはこのところ、午前11時頃までに室内へ収容される傾向にあったこともあり、早い時刻から並ぶ人が多かった。
同じ日でも、園内のほかのパンダ舎にいる4頭(シャンシャンの父母弟妹)に比べ、シャンシャンは早く室内に入りがちになっていた。検疫に備えるためだろうかとも考えたが、「屋外に出る時間は、シャンシャンの状況などを見ながら、総合的に判断しております。検疫とは関係ありません」(教育普及課)とのことだった。
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