シャンシャン渡航まで1カ月弱どんな準備をする? 2月に順豊航空の「チャーター便」で中国へ行く

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シャンシャンは2023年2月21日中国へ行く。渡航日は、東京都の小池百合子知事が2022年12月23日の定例会見で発表した。渡航の際、中国の専門家は来日しない見通しで、上野動物園の専門家がシャンシャンに同行する。

中国は、入国者に隔離措置を義務付けていたが、2023年1月8日から完全に撤廃した。このため上野動物園の専門家は、中国の空港で隔離されず、シャンシャンの新居まで同行できそうだ。

その一方で、中国は1月10日から日本人と韓国人に対するビザの発給を停止している(その後一部再開)。上野動物園によると、どの飼育係や獣医師が何人、シャンシャンの渡航に同行するかは、筆者が書面で回答を得た1月18日時点で「調整中」だが、ビザは取得済み。このため、よほどのことがなければ、予定通りシャンシャンは中国へ行くことになるだろう。

輸送箱のニオイを嗅いだシャンシャン

シャンシャンは輸送箱に入って中国へ行く。輸送箱に入る練習は2022年11月28日から始めている。頻度はおおむね週に1回。エサで誘導して、「箱に入っても怖くないんだよ」と覚えてもらう。

シャンシャンは当初、2020年12月末までに中国へ行く予定だったのがコロナ禍で延期になった。そのため輸送箱は2020年8月に作られた。当時もシャンシャンは輸送箱に慣れる練習をしていたためか、今回の練習では「初日から特段、問題なく入ってきています。ただ、少し輸送箱内のニオイを嗅ぐ行動は見られました」(教育普及課)。

検疫のため室内で暮らすようになるまでは、「屋外へ放飼する前に数分程度、輸送箱に入れ、その中でマウスオープンなどのトレーニングを行っています」(同)とのことだった。

シャンシャンが入って中国へ行く予定の輸送箱(公益財団法人東京動物園協会提供)

輸送箱は鉄製で、取っ手や水を飲む所はステンレス製。サイズは、高さ1366mm(キャスター込み)、幅1106mm、長さ1680mm、重さは約365kg。シャンシャンの大きさやこれまでのパンダの輸送状況などを踏まえて作られた。

大橋課長は「輸送箱に慣らす訓練もしていて、ある程度、馴致(じゅんち)は済んでいますので、比較的安心して送り出せるのかなと思います」と話す。

シャンシャンが中国へ行くのは繁殖のため。雌のパンダは一般的に4~5歳で性成熟して繁殖できるようになる。上野動物園によると、シャンシャンの発情は1月21日時点で確認されていないが、あと5カ月ほどで6歳なので、発情は近いかもしれない。

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