【ホクロとがん】安易な「レーザー除去」危険な訳 手足にできたものは大丈夫?4つの特徴を紹介

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顔面のホクロが大きくなると目立つため、美容的に気になることもある。この場合、炭酸ガスレーザーなどの治療が可能だが、川端医師は「安易なレーザー治療は、ときに危険です」と話す。

「皮膚がんの1つである『基底細胞がん』は顔面にできやすく、特に小型のものは皮膚科医でも視診だけではホクロとの区別がつきにくいのです。顔のホクロが美容的に気になるので除去したいといって来院した患者さんで、調べてみると基底細胞がんだったということは珍しくありません」

皮膚科では、ホクロの診断はまずダーモスコープという拡大鏡で詳しく観察する。それでも診断がつかない場合は皮膚生検を実施する。生検は皮膚の一部、もしくは小さい場合はすべて切除して、顕微鏡で組織学的に検査する方法だ。

「レーザーで焼いてしまうと皮膚生検ができないので、確定診断ができません。加えて、レーザーは表面を焼いて平らにする治療なので、がんの根本的な治療にもならないのです。万が一基底細胞がんだった場合は、レーザーで切除しても再発します」(川端医師)。

基底細胞がんの根本的な治療は、手術による切除だ。悪性度は低く、ほとんど転移しないので切除すれば問題はない。放置すると、深く入り込んだり痛みが出てきたりする。大きくなると切除後の傷も目立つので、できれば小さいうちに切除したい。

ホクロの除去は皮膚科のほか、美容クリニックなどでも行っている。美容クリニックの場合、診療する医師の専門が形成外科など、皮膚科医以外の医師が診ていることもある。

「少しでも悪性が心配な場合には、ぜひ皮膚科専門医がいるクリニックで診断を受けてほしいと思います」と川端医師は言う。

仕上がりは医師の技量による

良性の場合は、基本的には炭酸ガスレーザーで切除する。ただ、ここでも気を付けた方がいいことがある。満足のいく仕上がりになるかどうか、医師の技量によるところも大きいからだ。

「盛り上がっているタイプのホクロは、皮膚の深いところにある母斑細胞が塊を作っているために盛り上がっています。このため小さくても深くまで切除する必要がありますが、やりすぎるとホクロは取れても、皮膚がへこんで傷跡が残ることもあります。へこんでしまった皮膚は元には戻らないので、どこまで切除するかの加減が難しく、技術や経験が必要なところです」(川端医師)

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