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チームを上手くまとめる人と仕切れない人の差 社内外も意見はバラバラ、どうかじ取りするか

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  • 河瀬 誠 立命館大学ビジネススクール教授、MK&Associates代表
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社外の関係者全員から承認を取れたにもかかわらず、社内の稟議が「もし社外から反対されたらどうするのだ」と言われたまま止まっている、という笑えない話も聞いたことがある。

たしかに、社外を動かすのは大変だ。しかし、社内を動かす「高度な」スキルを身につけた大企業の読者は、過度に心配することはない。そのスキルを最大限に活用すればよい。その一方で、大企業にいるとモノカルチャーに染まりがちだ。「相手の考え方は自分とは違う」ということをつねに意識して、検討を進めていこう。

未来を創り出すうえで、いちばんの障害となるのが「既得権益」だ。既得権益を得ている人たちは、必ずしも「悪人」というわけではない。

たとえば、「IT化に最も反対するのは善良な一般社員」ということは多い。彼らは言われた仕事を真面目に進める(いわば)善人だ。しかし、「IT化することで仕事を失うかもしれない。若い連中より仕事ができないという烙印を押されるかもしれない」という(多くは意識されない)恐怖もあるはずだ。

そうなると、会社にとって合理的な選択でも、個人としては反対する。また、たんに新しいことを習得するのは面倒で嫌だ、という理由で動かない人たちも多い。

先行したプロジェクトの成功事例を示す

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彼らの(隠れた)不安に対しては、丁寧に説明するとともに、先行したプロジェクトでの成功を示して、「新しいプロジェクトに参加したほうが自分も得する」という情報を伝えていくことが有効だ。

しかし、そうした多数派以外に、明らかな抵抗勢力が居ることも少なくない。彼らの反対理由はたとえば、「新しい試みが成功すると自分の特殊技能を発揮する場面がなくなる」とか、「プロジェクトリーダーに個人的な恨みがある」といった、利害や感情に直接的に関わるものだ。

そうなると彼らは、表面的には協力を装いつつ、陰に陽にかつ本気でプロジェクトを妨害してくる。彼らに対処する方法論についても、前掲の『協力のテクノロジー』を参考にしてほしい。

こうしたことに、いちいち怒っても仕方がない。「世の中そんなものだ。人生勉強の1つだ」と思って、1つひとつ対処するしかない。

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