チームを上手くまとめる人と仕切れない人の差 社内外も意見はバラバラ、どうかじ取りするか

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会社という営利組織の中にいると、組織はある目標や目的のもとに、利益の最大化を目指して動くものであり、上位者が命令によりメンバーを動かせるものと思いがちだ。しかし世の中は、そうした組織ばかりではない。

利益では動かない、むしろ利益を語ると反感を買う組織、参加者全員が公平であり指示や命令ができない組織、全会一致が原則で1人でも反対者がいる限り意思決定できない組織、などは少なくない。

話をもっていく順番などが大事で、それを間違えるとヘソを曲げてすべてが止まる組織もある。一緒に飲みに行くまでは、なかなか本質的な議論ができない組織など、組織にはいろいろな個性がある。

こうした、表からは見えない「組織の力学」の違いを理解し、それでも共通のパーパスに向かって関係者を動かしていくわけだ。

「協力のテクノロジー」の大前提は、関係者の目的と思考は、すべて異なっているということだ。

組織が異なると考え方も異なる

同じ会社の中ならば、価値観や仕事の進め方は基本的に共通している。しかし、組織が違うとその前提は通用しない。相手は自分と同じ考えをするであろう、という想定は危険だ。

仮に同じパーパスで関係者が一致団結したとしても、その実現により期待しているものは組織間で、または同じ組織でも個人間で相当違う。一見不合理に見える目的や思考も、彼らの組織や個人の背景を理解すると、理由があることがわかるはずだ。

最悪なのが「コンソーシアム」形式かもしれない。業界のリーダー的な会社や団体を一同に揃えるわけだが、事前にパーパスを共有していないと、自社の利益代表としての発言になりがちだ。

全会一致が原則だが、だれも責任を主体的に取るわけではない。事前の根回しが大変な割に、結局は当たり障りのない提言が採択され、何も変わらないという結果になりがちだ。

このように社外の関係者を動かすことは大変だ。しかし大企業の場合、ともすると社内を動かすほうが大変だという話も多い。

ひどい例だと、仮説を顧客にヒアリングしようとしたら関係部門からストップがかかり、延々と社内の資料作成と説明を重ね、ようやく顧客にヒアリングするまでに半年かかった、という話もある。本来なら、その場で顧客候補を調べて電話をすれば、2時間で済む話のはずだ。

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