悲報!酒はどんなに「少量」でも健康を破壊する アルコール分解物質がDNAを傷つけ、がんを誘発
アルコールは主にDNAを傷つけることで健康上の問題を引き起こすと、科学者たちは考えている。アルコールを飲むと、体内で代謝されて細胞に有毒な化学物質アセトアルデヒドが生成される。
アセトアルデヒドは「DNAを傷つけるのと同時に、体がDNAの損傷を修復するのも妨げる」とエッサー氏は説明する。「DNAが傷つくと、細胞が無秩序に増殖し、がん腫瘍を作り出す場合がある」。
アルコールはまた、DNA損傷の別形態である酸化ストレスを作り出し、特に血管まわりの細胞に害を及ぼすことがある。酸化ストレスは動脈硬化を引き起こし、血圧の上昇や冠動脈疾患の原因となる場合がある。
「DNAに根本的な影響を与えるため、非常に多くの臓器系に影響が及ぶ」。ナイミ氏は、習慣的なアルコールの摂取が生涯にわたって「徐々に組織を傷つける」と話す。
「アルコールは心臓に良い」は間違い?
アルコールが心臓に与える影響については、少量のアルコール、中でも赤ワインが良い効果をもたらす可能性があると主張する研究もあるため、わかりにくくなっている。過去の研究では、アルコールが「善玉」コレステロールのHDLを上昇させることや、ブドウ(および赤ワイン)に含まれる抗酸化物質レスベラトロール(ポリフェノールの一種)に心臓を保護する特性があることが示唆されている。
しかし、バンダービルト大学のマリアン・ピアノ教授(看護学)によると、「このところ、アルコールの心臓保護効果や健康効果と呼ばれている概念を覆す証拠がたくさん出てきている」という。