ところが、50代の中頃から非正規の比率が高くなって、全体の4分の1程度になる。
このあたりで、正規から非正規への移行が行われていることがわかる。
女性や若者の非正規労働者はパートタイマーが多いが、この年齢層の男性の非正規労働者は、契約社員も多い。
同一の企業のなかで正規から契約社員などへの変更が行われる場合もあるだろうし、別の会社に転職して契約社員になる場合もあるだろう。
日本ではいまだに終身雇用が続いていると言われる。しかし、正規雇用をずっと続けられるわけではないことへの注意が必要だ。
賃金は、50代でピークになる
年齢別の賃金の状況を見ると、図表2の通りだ。
25歳以降、年齢が高くなるほど賃金が高くなる。日本の賃金が年功序列的になっていることがわかる。ところが50代になると頭打ちになる。そして60代になると、急激に低下する。
これは図表1で見た雇用形態変更の影響だと思われる。つまり50代の半ばごろから非正規社員への移行が行われ、そこで賃金がカットされるのだ。
なお、図表に示した女性の場合、50代半ばで最高にはなるものの、その後に、男性の場合のような急激な低下は見られない。
この年齢になれば、子供が大学を卒業し、就職して所得を獲得し始めるだろう。したがって、生活費は減少することになるだろう。
しかし、公的年金の受給は65歳からだから、60代の前半には給料も減らされ、年金も得られないということになり、生活条件はかなり厳しくなる。
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