現在、公的年金は65歳から支給されることになっている。しかし、年金の財政事情は今後厳しくなることが予想される。それに対処するために、支給開始年齢の70歳への引き上げといった措置が取られる可能性は否定できない。
そうなると、60歳になれば非正規になって賃金が減らされ、しかも年金も得られないという状態になる。その状態が10年間程度続くことになる。
年齢別の労働力人口比率は、どのように推移するか?
労働力率が低下する(退職する)のは、どの時点だろうか?
図表3に示す年齢階級別の労働力人口比率の数字をみると、第1に、65歳以上で大きく低下していることがわかる。これは、年金を受給して、退職後の生活に入っていることを示している。
第2に、55〜64歳で若干低下している。しかし、労働力調査では、10歳階級の数値しかわからないので、60歳のところでどう変化しているかは、推測するしかない。
仮に55歳から60歳までと60歳から64歳までの人口数が等しく、かつ50歳から60歳までの労働力率が95%であるとすれば、60歳から64歳までの労働力率は84%ということになる。
つまり、この段階で引退する人はごくわずかだ。多くの人は60歳以降も働き続ける。ただし、そのかなりの人が非正規になる。
結局、労働力率は、つぎのように推移することになる。
60歳から64歳:84%程度
65歳以上:35%程度
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