「日本株売り」と「円高ドル安」の同時進行に要注意 「米国株の下落」と「日銀要因」で極度の混乱も

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この実質利上げが「突然」だったと書いたが、この発表直後に筆者に海外投資家から寄せられた最多の質問は「Why now ?」だった。

欧米主要国などが軒並み政策金利を上げてきた中で「日銀だけがいっさい金融政策を動かさない」というのは、海外投資家の目からすると「無理だろう、いずれ日本でも利上げが行われるだろう」と映っていた。そのため、YCCはいずれ撤廃される、あるいは上限が変更される、という見通し自体は抱かれていた。

しかし、YCCの変更をネタとした日本国債先物の売り攻め(金利上昇方向に賭けた取引)は、日銀の執拗な国債買いにより、売り方がいったん白旗をあげていた。

なぜこの時期の変更なのか、戸惑う投資家

ドル円相場が一時のように1ドル=150円を超えていたり、日本政府が円買い介入を余儀なくされていたりしているのならともかく、為替相場は自律的に一時1ドル=130円も割るなど、円高への揺り戻しが生じていた。とりわけ物価指標が強烈に上振れしていたわけでもない。

すると、「YCCを変更するとしても、なぜ12月なのか、まったくわからない」という戸惑いが広がった。会合直後にその「動機」がわからないとしても、金融政策決定会合後の黒田東彦総裁の記者会見で背景要因が説明されれば「謎が解ける」と期待していた向きも多かっただろう。

しかし同会見では、YCC変更の理由は「イールドカーブが歪んでいたから」、すなわち10年国債を日銀が大量に買ってきたことで10年もの金利だけが「ボコン」とへこんでおり、「日本の債券市場の機能が低下している」からとの説明だった。

イールドカーブの歪みが主要な金融政策のテーマだ、という話は唐突に感じられただろう。しかも総裁は「実質的な利上げではないのか」という質問に対し、「金利を引き上げる意図ではない」と回答した。

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