「日本株売り」と「円高ドル安」の同時進行に要注意 「米国株の下落」と「日銀要因」で極度の混乱も

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1月10日にストックホルムで開かれたスウェーデン中銀主催のシンポジウムで話す日銀の黒田総裁。市場の混乱は早期に収まるだろうか(写真:ブルームバーグ) 

今年に入ってアメリカの株価指数は堅調な動きを示している。日中の推移を見ても、午前中に利食い売りがかさんで前日比で下落することはあっても、引けにかけて持ち直す傾向が強い。

こうしたアメリカ株の強さについて、好材料とされたものとしては、例えば1月6日発表の12月雇用統計がある。同月の非農業部門雇用者数は、11月の前月比25.6万人増から同22.3万人増と伸び悩んだ。また、時間当たり賃金も前年同月比は11月の4.8%増から12月の4.6%増と、同じく伸びが鈍化。インフレ懸念後退を好感する形で、株価は上昇した。

さらに、12日発表の消費者物価指数についても、前年同月比が11月の+7.1%から12月は+6.5%に大きく低下し、インフレの鎮静化期待に力を加えた。

今のアメリカ株は景気悪化を軽視しすぎている

ただし、こうしたアメリカ株の堅調さは、景気悪化が進んでいることを軽視した「買われすぎ」であると懸念する。

景気悪化の兆しをいくつか見てみよう。まず、週当たり労働時間の前年同月比は、雇用情勢の浮沈に先行する。というのは、企業は景気悪化時、リストラに手をつけるより前に、まず労働時間の短縮で景気悪化に対応するためだ。

その労働時間の前年同月比を見ると、直近の12月分は1.4%減と、コロナショック時の1.2%減(2000年3月)を下に突き抜けて、リーマンショック以来の下落率となっている。これは、今後の失業の増加と個人消費の減退を示唆している。

また、前述の雇用統計と同日に発表されたISM非製造業指数は、12月は急低下して49.6と、わずかとはいえ50を下回った。ISMの製造業と非製造業の両指数が50割れとなるのは、リーマンショック時と、コロナ禍に見舞われたとき以来のことだ。決してこれからリーマンショック並み、あるいはコロナ禍並みの不況が訪れるとは見込んでいないが、景気後退は不可避であるように思われる。

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