2023年の卯年、日経平均は跳ねないかもしれない カギ握る日銀、高値と安値はいくらになる?

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退任の前に動いた日本銀行の黒田総裁。結局のところ「卯年」相場は日銀がカギを握りそうだ(写真:ブルームバーグ)

2023年の干支(えと)が気になる年の瀬が近づいた。2021年の末にも書いた記憶があるが、マーケット関係者は「未知の世界がどうなるか」が知りたくて、干支をついつい調べてしまうのだ。

まずは、タイムマシンに乗ったつもりで、今から1年前に書いた「2022年の株式市場は『大荒れの年』になりそうだ」(2021年12月19日配信)を振り返ってみよう。

予想どおり2022年は「大揺れ」だった

結論から言うと「壬寅(みずのえとら)は常識が覆される年」と予想したが、ほぼそのとおりの展開となった。詳しくは昨年の記事を読んでいただくとして、以下のような予想を立てた。

・株式市場は、市場参加者の迷いや葛藤が入り乱れ、ボラティリティ(変動率)の高い大揺れの展開になることを十分に警戒すべきだ
・2022年の日経平均株価は、3万円から2万4000円までのかなり大きなボックス圏での値動きを想定。リスクを挙げればきりがなく、株価のブレに耐えることができる資産運用が大事になる。プロでも大きく差がつく1年になる
・基本は資産保全(本物の分散投資)に徹するべき。お金も気持ちも余裕をもって、楽しんで大荒れの海と向き合ってほしい

日経平均の騰落を見てみよう。2021年の大納会(12月30日)の終値2万8791.71円を起点として、2022年12月16日現在の終値は2万7527.12円。暫定の年間騰落率は4.39%の下落となっている。

年間高値と年間安値は、想定した大きなボックス圏での推移となっている。具体的には、大発会翌日の1月5日終値2万9332.16円が年間高値。一方、3月9日終値2万4717.53円が今のところの年間安値だ。

この下落率は15.7%となり、年初からボラティリティの高い大揺れの展開となり、想定どおりの展開となった。2月24日のロシアによるウクライナ侵攻、FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)の想定を超えたインフレと、それに対する大幅利上げ、半導体や台湾をめぐる米中摩擦の深刻化など、今までの常識が覆され、時代にあった新しい常識が摸索され始める1年になったとみるべきだ。

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