2023年の卯年、日経平均は跳ねないかもしれない カギ握る日銀、高値と安値はいくらになる?

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2023年は卯年だ。まず「卯(う:うさぎ)」とは何か。十二支(じゅうにし)の1つで、子(ね:ねずみ)・丑(うし)・寅(とら)・卯・辰(たつ)・巳(み:へび)・午(うま)・未(ひつじ)・申(さる)・酉(とり)・戌(いぬ)・亥(い:いのしし)」の4番目に数えられている。

卯は、音読みでは「ぼう(冒)」となり、陽気の衝動の意味。文字だと、もともと兎(うさぎ)ではなく、いばら・茅(かや)だ。「草木に例えると芽や葉が茂るイメージだが、こんがらがるとどうしようもなくなる」のだ。

2023年の干支は「みずのとう」であることに注意

2021年末にも書いたが、現代では「干支(えと)」というと、上記の十二支だけを指すことも多い。だが「2023年の干支は」と言われれば、「卯年」ではなく、「癸卯(みずのとう、きぼう)」と答えるのが正しい。今回も2023年(=癸卯の年)の日本株式相場を予測してみたい。

初めての方のために繰り返すと、本来の干支(えと)は、「甲(コウ:きのえ)・乙(オツ:きのと)・丙(ヘイ:ひのえ)・丁(テイ:ひのと)・戊(ボ:つちのえ)・己(キ:つちのと)・庚(コウ:かのえ)・辛(シン:かのと)・壬(ジン:みずのえ)・癸(キ:みずのと)」の「十干」(じっかん)と「十二支」を合わせて「十干十二支(じっかんじゅうにし)」で表される。

十干はのちに生まれた陰陽五行説と結びついている。森羅万象を表す五行(「木」「火」「土」「金」「水」)の陽である兄(え)と、陰である弟(と)の「10パターン(5×2)」でできている。

十干と十二支の組み合わせは、60種類(周期)。10(十干)と12(十二支)の最小公倍数が60だからだ。60年経つと、生まれた年と同じ干支(えと)になり、暦が戻る。60歳で還暦のお祝いをするのは現代にもしっかり受け継がれている。ちなみに、これらは記号のようなもので、かつてはそれぞれを組み合わせて数字のように使われていたようだ。

さて、「癸」(みずのと=西暦では末尾が3の年)は、歴史の教科書に出てくる一揆の「揆(き)」と同じ文字だ。物事を「はかる」という意味がある。また、「はかる」には基準や原則が必要なため、「則」や「道」という意味もある。

したがって「すべての物事を道筋を立てて物を考えて処理していく。それを誤ると混乱や動乱に向かい、ご破算(ぶち壊し)になる」ということだ。

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